同室の友達が読んでいた雑誌に『これでイチコロ!気になる年下の彼をゲットする方法!』なる記事が載っていた。…よーし!これを読んでレギュラスくんをゲットしちゃうぞ!ぐへへっ…






「(…ブルッ!)」

「どうかしたかレギュラス?」

「い、いえ。ちょっと寒気が…(すごく嫌な予感がする)」







ステップ1
彼に年上らしい頼れるところを見せましょう。


「あらレギュラスくんお勉強?偉いわねー感心するわ!」

「なまえ先輩…何ですかその喋り方」

「いやだわいつもと変わらないわ。それよりレギュラスくん、何かわからないことがあったら何でも聞いてね」

「え?誰に?」

「わ、私によ」

「これは噂で聞いたんですけど。先輩って全ての教科で補習に引っ掛かり、尚且つどんなレポートも締め切りに間に合った試しがないって本当ですか?」

「ちょっと誰よばらしたの!…はっ!ち、違うよ!そんなわけないじゃなーいあははははー」

「…じゃあ聞きたいことがあるんですが、この魔法薬学で蛙の心臓を粉末に」

「ぎゃああああ!!蛙やだああああ!!セブルス助けてえええ!!」

「え、ちょっとなまえ先輩!うるさっ!」

「蛙嫌いいいい!!」








ステップ2
たまには甘えてギャップを見せましょう。


「レギュうー!そのチキンと糖蜜パイ頂戴!」

「…まあ、別にいいですよ」

「やったあ!お返しににんじんとピーマンとグリンピースとあとセブルスから貰った煮豆あげるね!」

「…いらないですよ、特に煮豆。自分で食べてください!」

「ヤダヤダ!野菜きらい!」

「先輩、我が儘言わないでください」

「我が儘じゃないもーん!プンプン!」

「うざいですよ。何なんですかさっきから黙って食えよオラァ」

「ひいっ!す、すみませんでござる…」

「わかればいいんです」



「な、なあセブルス…さっきからなまえも変だが、レギュラスも一瞬、ものすごく怖くなかったか?」

「ルシウス先輩ビビりすぎですよ、あなたが怒られてるわけじゃないんですから」

「ひいっ!…」








ステップ3
彼を何気なくデートに誘いましょう。



(何気なく…何気なく…)


「あ、レギュラスー!」

「何ですか先輩、そんな500m先から…って速!」


(何気なく…何気なく…)


「うん!あのね、レギュラスに話があるの!」

「何ですか?」


(何気なく…何気なく…何気なく!)


「私とデートしてくださいでござる」

「これまた随分直球ですね」

「…作戦ミスです…出直します」

「いや出直されても」







ステップ4
デートのために可愛くメイクしましょう。



(メイク、だと?)

結局一緒にホグツミードに行けることになったけど、生憎そんなヤングな物は持ち合わせていない。まあ、まごの手とかスルメイカなら実家から送ってもらってたくさんあるんだけどな。
…せめてリップくらい塗って行こう。そういえば去年の誕生日にルシウス先輩から貰った「バラの香り」がするリップがあったはず…
それからいい匂いがした方がいいよね。夏に買った消汗スプレーがまだ残ってるんだよね。一応ちょっと多めに付けて行こう。
よし、これで何とかなるだろう!




そして当日。


「……先輩、」

「……はい、」

「何ですかこの強烈な匂いは…」

「いやちょっと…頑張りすぎた」

「一体何食べたらこんな匂いが人からするんですか」

「食べてはいないんだけどな。…やばい私鼻利かなくなってきた…」

「僕もです」

「…ちょっと顔洗ってくるね」

「どうぞ…」





最悪だ…あの雑誌嘘ばっかり!
どうしよう…折角のデートが台なしだ…レギュラスにも嫌われちゃったよな…さよなら甘酸っぱい恋、さよなら我が青春…!





「ただいま…」

「おかえりなさい」

「………」

「どうしたんですか?あからさまにテンション低いですね」

「…うん、最近からまわってばっかりで」

「…まあ、最近の先輩はいつにも増して変でしたよね」

「…変」

「はい、それから馬鹿だし」

「ど、どうせ変ですよ!馬鹿ですよ!レギュラスのバーカ!」

「別に今更先輩が変人で馬鹿でも僕は気にしないのに」

「……え?」

「先輩はそのまんまでいいんですよ、おもしろいし」

「おもしろい?え、それ褒めてる?」

「ただし、僕へのバーカは撤回してください」

「う、うん!」

「それから…バラの香りのリップはいいと思います。ルシウス先輩セレクトにしては」

「えっそう?レギュラスも舐めてみる?」

「いや舐めるわけないでしょってか先輩舐めたんですか?」

「うん、あまりにもいい香りがしたもんで」








ステップ5


でもやっぱり、ありのままの貴方が素敵です。








(結局この雑誌のおかげ?)(先輩何読んでるんですか?これでイチコロ!気になる年下の彼を…)(ぎゃあああああ!!)


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