「この歩く精子バンクがあああ!!」

「ぐほー!!」




「いやー相変わらず素晴らしい右ストレートだったよなまえ、はいタオルとドリンク」

「ああ、ありがとうリーマス。いい汗かいた」



何故俺がぶん殴られて倒れているのか。
とりあえずあそこで爽やかに滴る汗を拭いているのは最近できた俺の彼女だ。何度も何度も告白して最終的に「僕の遺産は全てあなたに差し上げます」と言ったら渋々…付き合ってくれることになった。だけどそれでも俺は嬉しいぜ!まあそれまでの俺といったら、何というかギザギザハートっていうの?派手な女関係だったわけだ。来るもの拒まず、去るもの追わず。女三昧寝るか食うか女。だがあいつに会って変わった!始めて会った時、あいつはリーマスと話していた。華奢な体に細い髪、ビー玉みたいな目をキラキラさせてあいつはリーマスに「ねえリーマス!もう少しであの薬が出来上がるの!あとはタランチュラの生き血だけなの!そう…飲ませたものを3日3晩苦しませ、その後は歯が猛烈な痛みと共に抜け落ち、内蔵という内蔵がどんどん膨大になり最後には破裂して死ぬ薬!」リーマスは「へえそうなんだ。楽しみだね」と笑ってたいた。…それどころじゃない!俺はそんな彼女を見て…全身を電流が走るような衝撃を受けた!ここここんなエキサイティングな女見たことねえ!どどどどうしよう!好きだ!
それ以来俺は女遊びを一切止めた。それまで関係を持っていた女にはひとりひとり話しをつけに行った。何人かの奴は「そうなの…いいの私も遊びだったから。今まで楽しい時間をありがとううふふ」と手を振って別れてくれたが、中には「んだとゴラァ!責任取りやがれタコ野郎!」と消化器を投げてくる奴もいたりなんかして。
でもそんなこともうどうでもいいんだ!だって俺は今、世界一愛してる女を手に入れたんだから!!
で、俺が何だって!?



「ちょっと待てなまえ!」

「ちっ、復活しやがった」

「なまえ第二回戦も頑張って!」

「うるせェリーマス!お前には関係な「何だって犬っころ?」何でもないですあなたさま。…じゃなくて!なまえ!俺が何したっていうんだよ!?」

「惚けやがって!…失せやがれ遺伝子撒き散らしサイクロンめ!!」

「へぶしっ!!ご、誤解だ止めろ!!」

「何が誤解だ!さっきうちの寮に「これブラック君に渡してください」ってチェーンソー持ってきた女の子がいたわよ!どういうことじゃゴラァ!!」

「ししし知らない!本当に存じない!!」

「嘘つけワリャー!!」

「ぎゃー!!」

「あ、シリウス。何か違う寮の女の子が君に渡してくれって硫化水素持ってきたよ」

「リーマス!かけちまえ!」

「ややや止めろ!!死ぬだろおおお!!」

「死ね!」







「はいなまえ、二回戦もお疲れ」

「ありがとうリーマス」

「でも本当に最近シリウスへの嫌がらせとか変な噂増えたよね」

「本当どうしようもないわ!遺産相続がなかったら絶対付き合わない!」

「あははそうだね。最近僕はシリウスは穴という穴に一々反応して鍵穴見ただけでヤバいって聞いたよ気持ち悪いね」

「まぢで?あたしは目があっただけで妊娠して話しただけでツワリが来るって聞いた」

「最悪じゃないか」

「最悪だね」




まあ、主に僕が噂を流しているんだけどね。おっとなまえには絶対内緒だよ?
実は僕はずっとなまえのことが好きだったんだ。「ねえリーマス!明後日あたりネバーランドからあたしにお迎えが来ると思うんだけどどう思う?」と本当に真剣な顔をして(本当に真面目な顔なんだよ!眉間に皺寄せて冷や汗かいてたんだから)聞いてくるところなんてすごく可愛かったなあ。なのにいつの間にかどっからか割り込んできたこんな全身性器人間に取られてしまって僕は自分が情けなかった。これは人生最大の汚点だね。だが訳を聞くと「ああシリウス?あの犬、付き合ってくれたら遺産を全部くれるらしいから仕方なく」と言っていた。うんうんそうか。まあそれが本心なのかはわからないけど、ほら僕はどちらかというと大人だし自分の欲しいものはどんな手を使ってでも掴み取る!というわけではなく、常に彼女の意志を第一に考えているんだ。
でもまあちょっとくらいならシリウスに意地悪してもバチは当たらないかな?って思わない?え?やだな、まだまだこんなの序の口じゃないか!こんなことでシリウスがなまえと別れるなんて言ったらそりゃすごく嬉しいけれどそうだな、取り合えず足に縄巻いて校内を引きずり回すよね!あはは。


「…くっ、なまえ…」

「げ、まだ生きてた」

「俺は…何があってもお前を離さないからな!なんてったってお前は俺の運命の相手なんだから!」

「は?ちょ、お前言ってて恥ずかしくないのかよ!」

「そうだよヘタレ犬将軍」

「ジェネラル・ヘタレ・ボーイ」

「いやそれそのままだから」

「そうそうリーマス、人は一生にどれくらい枕に涎を垂らすのかについて話さない?」

「いいねなまえ、楽しそうだ」

「おい俺も混ぜてくれ!」

「だまれ変態エベレスト」

「性欲四天王」

「ちょ、萎えちゃう」

「しなびろ馬鹿、腐れ」

「こらこらなまえ、女の子があんまり下品なこと言っちゃダメだかね。こんなやつと一緒にいると菌が移っちゃうよ」

「おいリーマス!なまえは俺のだぞ」

「うっさい早く遺産寄越せ」

「ふっ、まあ慌てるなよ俺とお前は死ぬまで一緒だろ?」

「とっとと死ね」





まあそんな三角関係も

以外と楽しいんだけどね。








「あらこんなところにチェーンソーがあるわ。ポッターをぶった切るのに使えそう」

「リリー!僕の君への思いはそんなチェーンソーなんかじゃ切断出来ないほど強く固いよ!」




忠誠もください


(あら硫化水素もあるわね。いたでりつくせりだわ!)(僕と君の愛の化学式を二人で解こう!)



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