「相棒ううぅぅう!一生のお願いだああぁぁあ!!」

そう言ってジェームズが俺に飛びついてきたのはほんの10分程前の話であってんで今俺は一人で夜のホグワーツを地下教室へ向かってるには訳がある。


「ジェームズ明日提出のレポート見せてくれ!」

「しょうがないなシリウスは!でもいいよ!今日は気分がいいんだなんてったってリリーと3回も目が合ったん」

「さんきゅー早く見せろー」

「まあまあ落ち着けよ!…ん?あれ?…あれれー?」

「どうしたんだよ?」

「あははっ…まさか僕…忘れてきた?」

「はあ?ちょ、まじかよ!何処に?」

「うーんとうーんと…あ!地下教室かも!そうあの教室でリリーが入ってき」

「よし取りに行こう」

「それは出来ないんだ相棒」

「はあ?何でだよ俺どーすんだよ?」

「だって今からリリーが談話室に来る時間だから張り込みに行かな」

「ふざけー!」

「てことでさ、」

「…何だよこの肩に置かれた手は」








というわけだ。


うを!何か動いた!

…ああ、壁にかかった絵か、あーよかった。ビビったビビっ




「「ばあっ!」」


「ぎややゃゃゃああぁぁぁあ!!!!」













※数分後

「おおおお前ら!おおお驚かすなよな!」

「実に見事なヘタレっぷりだったよ」

「さすがシリウス!期待を裏切らない男!」

「まあな!…ってちげーし!つーかお前ら何でここにいるんだよ!」


そう、さっき俺を驚かしたのはなまえとリーマスだった。たく、どっから湧いたんだか。


「えージェームズからシリウスが一人で地下教室に行ったって聞いたから」

「僕らは心配して来てあげたんだよ」

ねえ、なんて二人で小首傾げちゃって。ああ俺はいい友達を持った…


「んなわけなーい!ありえなーい!お前らどうせ俺をからかいに来たんだろー!」

「そ、そんなシリウス!」

「何てこと言うんだい!」

「「今更そんなこと」」

「うん本当お前らこそ期待を裏切らないよ」

「まあまあシリウス、一緒に行ってあげるから」

「あ、ああまあそれなら」

「でも背後に気をつけてね」

「…(リーマステラ怖す!)」

「じゃあ王様ゲームしよっか!」

「いいねなまえ!名案!」

「なぜに?しかも3人で?」

「ちなみに特別ルールで犬っぽい人には王様が当たらないように魔法がかけられてます」

「意味わかんない!」

「まあ妥当なルールだよね」

「はい割り箸」

「じゃぱにーずな!」

「せーの…」


「「王様だーれ?」」

「私だー」

「俺にはそのドキドキ感は来ないのな」

「シリウス世の中そんなもんだよ」

「俺の人生そんなもんだもん」

「えーとじゃあ、とりあえず犬っぽい人が顎に肘をくっつける」

「指定!?」

「王様むしろ女王なまえちゃんの命令は絶対だゾ!」

「えー…顎に肘…って絶対くっつかないじゃん!無理!」

「こらシリウス、王様の命令は絶対でしょ?」

「ちょ、リーマス怖い!てか本当無理だから!」

「えーつまんない」

「まあまあなまえ、シリウスもギリギリ人間なんだから。まあゴミみたいだけど」

「ギリギリ人間でゴミってそんな俺は誰?」

「つまりシリウスが人間じゃなくなればいいんだよ!」

「あーそっか!リーマス天才!」

「ちょまっ、お前ら!俺をどーする気だ!」

「ほら大人しくして」

「大丈夫だよシリウス痛くないからね。ちょっと関節を2、3ヶ所使えなくするだけだから」

「ぎややゃゃゃああぁぁあ!!!!」









※(本日2度目の)数分後



「止めろ!離せ!止めろ!離せ!止めろ!」

「ほーらほら暴れないで」

「じっとしてー」

「止めろ!離せ!止め」



ばしっ


「ろ…?」

「痛、」

「りりりリーマス!?」

「あー…ポケットのクッキーが粉々…」

「りりりりりりり…」

「シリウス、君が暴れるからいけないんだよね?」

「ちょ!シリウスやべーよ!まじ命無いよ!あれはもはや説明するまでもないけどお菓子駄目にされたリーマスは北半球一やべーよ!」

「(ガクガクブルブルガクブル!)」

「はあ、楽しみにとっといたのにな。ところでシリウス」

「(ビクゥッ!!)」

「(なぜかなまえもビクゥッ!!)」

「今日は折角だからじゃぱにーず繋がりで行こう。君は“弁慶の泣き所”なる箇所を知っているかね?」

「ししし知りません」

「そう、じゃあなまえ説明してあげて」

「ははははいっ!えー昔々ある所に強い強いお坊さんがいました。名前は弁慶。その人本当にゴリラとかサイ並に強いんだけど、そんな弁慶にもここを攻撃されたらどうしようもない!てところがあったの」

「ど、どこだよ?」

「ここさ!」




カキーンッ!




「ぎややゃゃゃああぁぁぁああ!!!!」

「ちょリーマス!バットなんてどこから…」

「はははっ!いい眺めだよシリウス!くたばれ!」

「こんなリーマス見たくないー!残酷すぎるー!」






その夜、ホグワーツには新しい奇妙な噂が出来た。


「夜中になると地下教室の方から犬っぽい悲痛な叫び声とそれと一緒に何かをいたぶるような怪しい楽しげな声が聞こえてくる」




「…怖いわね」

「大丈夫さリリー!僕がどんな敵からでも君を守るよ!」

「あらジェームズ、自分は殺せるの?」




只今あの世へ移動中

ちなみに弁慶の泣き所とは、臑(すね)のことだゾ!



「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -