「やべー腹減ったあ」


気が付いたら回りに私以外の生徒はいなくなっていた。みんな大広間に夕食に行ってしまったみたいだ。私はというと今だ終わらない魔法史の板書をせっせと写していた。不運なことに今日はいつにも増して量が多いし、睡魔に負けた私は軽ーくお花畑に行っていた、そもそも昨日の夜ルシウス先輩が「最近レギュラスによく黙って足を踏まれるんだどうしたもんか」と夜な夜な相談されて寝不足だ。てことで根本はレギュラスにあるんだねあとで体育館裏呼び出しちゃうゾ!



「オワタ!」



バタバタと教科書やノートを片付けてレッツ夕食!








「!!」

「………」

「………」

「………」




ひょいっ



「待て」

「(ヤパリ!?)」

「おいお前今の行動人間としてどうなんだ信じらんねェ」

「…え?」

「何のことですか?みたいな顔してんじゃねーよ。いいかお前は今麗しく端麗な美少年が道端に倒れているのにそれをひょいっと飛び越えて無視して通り過ぎようというまさに人間らしからぬ行為をしたんだぞ死ね」

「(死ねって言われた!でももしこいつに話し掛けることが本当の人間としての行為なら人間じゃなくていいや!)さ、さーせん」

「てゆーか何か言うことあるだろほら」

「…邪魔です」

「聞こえねーなァ」

「…風邪ひきま」

「きーこーえーねーえーなーあー」

「(うざい!うざすぎてビックリ!)
…だ、大丈夫で、すか?」

「ああ、死ぬ」

「(死んでくれ!)」

「お前俺が誰だかわかってんだろーな」

「知りませ」

「わかってんだろーおなあー」

「…シリウス・ブラックせんぱ」

「そうだよ馬鹿!あの有名な高貴なるブラック家の長男にして尚且つお前の友達のレギュラスのアニキだよだがブラック家の長男とかやめろよムカつくから!」

「(ムカつくなあこの人!どうやったら同じ母親からこの人とレギュたんが生まれるんだよああ腹立たしい!)」

「そこでだお前に頼みがある」

「は?」

「大広間からチキン持ってこい」

「…はい?」

「だからチキン持ってこい。俺今腹減って生き倒れてたんだよもう一歩も歩けない」

「え元気じゃないっすか」

「うーごーけーなーいー」

「(嘘だ!今生きていて1番アバダしたい!)」

「持って来ないとお前のこと呪うぞ」

「ひぃっ!」





※少々お待ち下さい





「…どうぞ」

「おおサンキュー!」

「じゃあこれで」

「待て」

「(まだあんの!?)」

「まあお前も食っていけ」

「えっ?」

「感謝しろよ」

「(あたしが持ってきてあげたんだよね?)じゃあ、いただきやす」

「あそれから」

「何すか?」

「俺と付き合え」

「………ぼふっ」

「カボチャジュースも飲みてえな」



ウタ
×
カタ


(多分全部こうなる運命だった)
(とりあえず何も言えないけどどうにでもなる気がする)(まあ、いっか)


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