「諸刃の頭突きでゴルバットを地面に叩き落としてから、
 そこに地震をぶっ放すトレーナーって初めて見たわ…ニケのことだけれど。」

それはもう心底疲れましたという感情を、たっぷりどころかマシマシな声色でアテナは語る。

「え?なんだそれ、ゴルバッドに地震…当たるワケないよな?
 まぁ、そりゃあ毒も持ったポケモンだから当たりゃあ効果抜群だろうけどよ…
 オレサマ、ちょっと意味が分からないんだけど。」

そんなアテナの様子に、何となく覚悟は決めて耳を傾けていたラムダだったが、予想の遥か上をかっ飛ぶ内容に理解する事を早々に放棄した。
だがしかし、悲しいかな、決して団内では珍事では無いのだ。

「あたくしだって、分かりたくないわよ。
 ラムパルドが型破りと言っても、流石にあの戦い方にはドン引きだったわ。
 こればかりは、ランスも茫然自失って様子で、それはそれで可笑しかったけれど。」

「いともたやすく行われるえげつない行為…
 あいつ、不可能な事ってないんじゃないか、まさか。」

「そんな有能な存在じゃないわよ。
 まったく、いい年して兄妹喧嘩ですもの。
 さてさて、ニケちゃん、どうしてやるかしら。」

「おっかねー!
 いやいや、愉快な部下を持って楽しそうで羨ましいなァ〜」

「あら?何時でもくれてやるわよ。」

「いらね。」

「それは残念ね。」





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