どうやら、またもや組織が壊滅したらしい。

いや、私にとっては突然で初めての事だけど。
少し前から、ちょっかいを掛けてくる健全な少年少女が居ることぐらいはアポロ様から聞いていた。
そんでもって、自信過剰な兄はハッタリと言えども、団で最も冷酷などと堂々名乗って負けてきたというのも同僚から耳にしている。
その日の夜、兄の機嫌がすこぶる悪かったことから、それは、どうやら事実であるらしいと知った。
「いくらランスでも、流石にそれはねぇだろ」と大爆笑だったラムダさん、すみませんね。事実であるという事に賭けていた私のぼろ儲けである。

「アポロ様、平気ですよ!ワンチャンあるって!!」

「そのワンチャンを狙ったら、コノザマですよ!」

「いや、ほら、抽選に外れてもダブルチャンスとかあるんですから!」

「お前、組織をなんだと思ってるのですか。
 まさか、雑誌の懸賞なんかと勘違いしているのでは…」

「懸賞より袋綴じの方が楽しみですって!!
 ……分かってないなあ、アポロ様ったら…!」

とりあえず、手持ちぶさたになってしまった私は、今にものの字を書きだしてしまいそうなアポロ様の背中を尻目に、ラムダさんとの賭けはこんな事態になってしまったからにはパーだろうか、ちょっと贅沢なご飯とは当面お別れだろうかと、思案するのだ。



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