8


あれから、何日たったのだろうか。
次の日から登校して来た臨也は俺を露骨に避けるようになった。

俺も、話し掛けるとしてもどうすればいいのか分からないので何も話しかけないまま数日が過ぎた。


目を閉じれば、鮮明に思い浮かぶ悲しそうな、怒りの混じった臨也の顔。


「くそっ……」


__何で、俺はこんなにも臨也の事が気になっているんだ。

他の奴なんか、まったく興味は無いのに四六時中臨也の事を考えてる気がして。
このモヤモヤがどんな意味を持つのかすら分からなくて。



イライラしてしまう。




最近、上級生がよく喧嘩をふっかけてくるようになってきた。

…今までは、ずっと臨也の奴を追い掛け回していたからあまりそういう事は無かったが。
それと新羅によれば「最近、元気無さそうに見えるからね。チャンスとでも思ったんじゃないの?」なんて事を言っていた。


本当、嫌な事は立て続けに起こるもんだな。


放課後、また教師に呼び出され怒られた。
苛立ちを隠し、適当に話を受け流す。



教室へ戻り、ドアの前で立ち止まる。

ここを開いて、臨也が寝ててそれで__。


思い出せば、恥ずかしすぎる事をした。と頬が熱くなるのを感じる。


ドアを開けばそこは誰もいなくて、少し寂しくなると同時に少し、期待を抱いていたんだなと心の中で自分を馬鹿にした。


欠伸をしながら、自分の席へと近付く。

ここ最近考え事ばかりしていて中々眠れない。
まだ時間はある事だし、暫く寝ようかな、と思い机に突っ伏する。

温かい日差しを受け、眠気が一気に襲ってくる。
外からの部活動の声に微かに心地よさを感じて意識は、途切れていった。











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