◎*風邪引き
※背後にご注意を。
風邪引きの続きです。
「……シズちゃん?」
「…手前な、そんな顔すんな」
そう言って、シズちゃんは俺を寝かせる。
だけど、シズちゃんの言っている事が分からなくて頭の中が疑問でいっぱいになる。
「どうゆう意味?」
そう言えば、言いにくそうに視線を彷徨かせる。俺が首を傾げると、溜息を一つ吐きそっぽを向きながらブツブツ呟く。
「風邪だから…、目潤んでて顔赤くて…。近くに居たら臨也の呼吸が聞こえて、これ以上近付いたら…もう、止まんねぇ」
____何だ、そういう事か。
恋人として、相手の欲情を掻き立てられるというのは誇りに思って良いことだろう。
俺は内心浮かれつつも、表情は少しニヤリと笑い少しからかってみる。
「ふーん、シズちゃんは俺としたいんだ」
そう言えばさっきよりも頬を染め、目を吊り上げ声を荒げる。
「なっ__、んな事ねぇ!!」
「…そうなんだ」
ちょっと挑発すれば、すぐ真に受けて怒る目の前の単純男に笑みが零れる。
数ヶ月前の俺は、シズちゃんと俺がこんな事になってるなんて絶対想像できない。
「でも、心臓ドキドキ言ってるよ?」
そう呟いて、シズちゃんの胸に手を当ててみる。
「___手前、誘ってんのか」
「シズちゃんがしたいって言うからね」
お互い暫く見つめ合って、どちらからともなく笑い出す。そして、唇が触れ合う。
浅いキスから、深いキスへといけば頭がクラクラする。
シズちゃんの舌が、俺の舌へ絡まり、いやらしい音が部屋中に響き、恥ずかしくなってくる。
必死にシズちゃんにしがみつけば、唇を離し上へ覆い被さって来た。
「風邪なのに__、大丈夫なのか?」
少し、困ったような不安気な表情をするシズちゃん。
「大丈夫、何とかなるでしょ」
そんな脳天気な発言をしてみる。
普段の思考回路じゃ絶対言えない事も風邪の力を頼れば今はどんな事も言えるような気がした。
シズちゃんは、ゆっくり俺に近付き耳にちゅ、とわざと音を立ててキスをする。
それだけで、体中が熱くなってしまう。
何度も繰り返されるキスに、こそばゆくなる。
しばらく触れるようなキスが続いて、急に静雄が耳朶を甘噛みする。
「あっ……」
嫌でも反応してしまって、顔が熱くなってしまうのが分かる。
その反応を見てシズちゃんは面白そうにさらに舐めたり噛んだりしてくる。
「んんっ…、も、シズちゃ…っ」
キッと睨み付ければ、鼻で笑われ、
「そんな顔じゃ、誘ってるようにしか思えねぇよ」
と言われてしまった。
耳から、首へと移動しキスを続ける。
シズちゃんは、本当にキスが好きみたいだ。何かあればすぐキスをする。
…その度、顔が熱くなってしまうのが悔しいんだけど。
「ひぅっ……」
手が、服の下から入り込んで敏感な部分に指が掠る。
理性とは裏腹に待ち望んでいた快感に、体中の中心が熱くなる。
触れるか触れないような指先で何度もそこを集中的に触る。
その度、自分の声とは思えないくらい甘い嬌声が響いて。
「んぁ……っ、くぅ…っ!」
ぎゅ、っと抓られ堪らない快感に全身が震え、背中が仰け反らせシズちゃんの吐息を感じながら、喘ぐ。
押したり、引っ張ったり転がすように触れる胸の突起は、主張を高める。
真っ赤に染まったそれにシズちゃんが口をつけ、吸いつく。
それだけで、目の前が真っ白になりチカチカするような感覚に襲われる。
こんな所で感じるなんて、ほんと女の子じゃ無いんだから…、って溜息の一つも吐きたくなるがそんな感情を快感が凌駕する。
俺は、ただただシズちゃんのする事に必死にしがみつくだけだ。
「…あぁっ…ん、ひぅっ…んん…っ」
頭がグラグラする。視界が揺れてシズちゃんの顔もよく見えない。
軽く吐き気もするし、触れられた所が今もジンジンと熱くなる。
「シ…っ、シズちゃ……」
「分かってる」
そう言って、額にキスをするとズボンに手を掛けた。
下着も一気に下ろせば、すでに起ち上がったモノをやわやわと掴み擦られる。
その感覚だけで、絶頂寸前まで追いつめられて。
「ひゃ、やあァぁ…、イッ…っちゃ…っん」
「暫くしてなかったからな、一回出すか」
「あアっ、んぁ___っ!」
そう言われ、擦るスピードを上げればすぐに言葉では表せない快感が全身を駆け巡って全身が震える。
その間にも、愛撫を止めないシズちゃんの手が快感を次から次へと引き寄せる。
「っふ…、はぁっ…」
「臨也…」
シズちゃんに名前を呼ばれ舌と舌を絡ませる。涙が頬を伝い、シズちゃんの手に落ちる。
「シズちゃん…、もう俺…、やばいから、やるなら……しよ?」
そう言ってシズちゃんを見上げれば、
意地悪そうに微笑み、後ろに手をあてがいツプリ、と指を入れ込む。
臨也の体から溢れた液が、丁度良く滑って痛みは感じない。最初の方は、さすがに異物感はあるがそんな感覚もすぐに消えて無くなる。
「んぅ……っ、あぁっ」
指が二本、三本と増えていけば中で様々の動きを見せて頭がふわふわする。
静雄の指が、臨也のイイ所に掠めば淫らな声を上げ静雄にしがみつく。
「っ! やぁ…、ああァっ、…んあァっ」
「…臨也、可愛い」
そう静雄に言われて顔を真っ赤に染める。
抗議しようとしたけれど、途轍もない感覚に襲われて言葉を紡ぎ出せ無い。
「ひぃあァっ、ゃ…っ、そこっ…、やぁ…!」
「でも、気持ちいいんだろ?」
静雄の意地悪な問い掛けに涙がぼろぼろ零れる。そうしていると、指が抜かれ後ろに熱いものが触れる。
「…いいか?」
「ん…」
そう言えば、指とは全然違う圧迫感に息が詰まるけど、1つになれた嬉しさに涙が零れる。
最後まで入って、少し呼吸を整える。
「んん…っ、…はぁっ…」
「やべぇ…、可愛すぎるわ手前」
そう荒い呼吸で言われれば胸が締め付けられる様な感覚に襲われる。…何でこんな時に、そんな事言うのさ。
「ちょ、締め付けんな…って」
苦しそうに、吐息を漏らすシズちゃんに笑ってみる。
「かわい…、とかっ…言うから…、んあっ!」
…話してるのに、いきなり突き上げてくるなんて失礼な男だなぁ。
何度も、奥へ奥へと突き上げて来る。
やばい、気持ち良すぎる。
「やぁあァっ…、んあっ! …はっ、あぁっ! イッちゃ、ひぃあっ」
「俺も…、もう無理」
そう言って、微笑むシズちゃん。
その笑顔も色気があって、格好良くて。
シズちゃんを抱き締め、首に思いっ切り噛みついてやる。うっすらと血が滲んで、その血を舐めとる。
シズちゃんは、全然傷のつかない体だし、もし傷がついてもすぐ治るけれど、この一瞬だけでも、俺の証しをシズちゃんに付けたかった。
俺のものなんだよ、って。
「ああっ、ぅ…もっ…イっちゃう……っんやァ__っ!」
そう言って、シズちゃんの腹部に白い液体が撒き散る。
俺の中が温かくなって、シズちゃんもイったんだ____と思い。
そこで、俺の意識は途切れた。
「臨也、風邪引いた」
あれから暫くして、シズちゃんから電話が来たかと思えばこんな事を言ってきた。
「俺の移った…のかな」
「お見舞い来てくれ」
「……もうちょっと、ちゃんとした頼み方無いの」
そう言いつつも、もう片手で携帯を弄り午後の予定を空けるよう調整する。
さて、それじゃあ不器用で甘えたがりな
恋人に会いに行ってやるか。
※ありがちなパターンです、お約束です。
風邪の時と健康な時とのギャップって素敵ですよね//
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