◎
辺りは人だらけで、色んな音が聞こえてくる。
はしゃぐ子供たちの様子や、祭り関係者の笑い声、鐘や太鼓の音など
その音があってこそ、俺たちがわくわくと心を弾ませる要因になるんだろう。
ふと隣にいる臨也を見れば、満足げな表情でいて。
少し悪戯をしてみる。
「臨也」
「ん?」
振り向いた臨也に、静雄の唇が掠めた。
ニヤリと笑い臨也の反応を待つ。
目を見開き、頬から耳に掛けて一瞬で真っ赤になった。
口をパクパクさせて、さらにキスをしたい衝動に駆られるが何とか持ちこたえた。
「なななな何して……っ」
あぁ、普段からこんなに可愛かったら良いのになんて思い握る手に折れない様気を遣い、少し力を込めた。
「〜〜〜っ」
顔を真っ赤にさせ挙動不審になる臨也を見て、心の中で笑みを零す。
臨也の、こういう反応が愛しく見える。
暫く屋台を見ていると、唐突に胸元を掴まれた。
「おわっ___」
気付くと、臨也との距離は0で。
くそっ、不意打ちされた…。
「ははっ、お返し」
提灯の光で、薄く輝いている臨也の姿を見れば__。
もう一度、俺達は甘いキスをした。
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