好き、愛してる。
※死にネタ










シズちゃん。

目の前で眠ってる愛しい人。

髪も額も瞳も鼻も頬も唇も体も全てが愛しくて愛しくて仕方ない。

何があっても、シズちゃんを愛せる。

喧嘩しても、本気で殺しに来ても。
シズちゃんは俺の事が大嫌いでも。

どうしようもなく好きなんだ。
この想いは止まることを知らなくて、
どんどん膨らんで溢れて溢れ続けて。

それでも止まる事を知らない。


好き、愛してる。



だけど俺は臆病者で。
想いは大きいけれど、伝えることはしなくて。いや、出来なくて。

所詮、俺もみんなと同じ普通の人間だから。
否定、拒絶、嫌悪されるのが怖くて仕方なかったんだ。
どうしても、嫌でそれならこの関係を保ち続けた方が良いと思い込んで。









気付いたら、君はもうこの世にはいなくなってた。



その事を聞いた時は、ただただ放心状態だった。

だって、あのシズちゃんが。
無敵で、絶対死ぬことの無いと思っていたシズちゃんが。

こんなあっさり死ぬなんて。

それが信じられなくて、信じたくなくて。


こんな状態でいなくなるなら、嫌われても良いから気持ちを伝えれば良かった。
こんなにも後悔するなら、拒絶されても良いから、好きだよって言いたかったよ。



「ねぇ、シズちゃん。」



好きだよ、愛してる。
もう届く事はないけど、何回も何回もそう呟く。


「気持ち悪いでしょ、好きなんて」


だからね、またいつもみたいに追いかけてきて、怒鳴ってよ。


「臨也って」


もう一度シズちゃんの元気な姿が見れるなら、標識だって自販機だって何だって投げてくれて良い。




「だから、……目、開けて……っ」



俺の前から、いなくならないで。
俺より先に、いなくならないで。


君の怒った顔を、笑った顔も
もう二度と見れない。

どれだけ願ったって届かない想いは、
小さな粒となって、シーツを濡らした。



君のいない世界は、俺にとって何の意味も持たない。

















※死にネタ……ですね。
ハピエン主義ですが、気晴らしに書いてみました。
違う趣向の文章をたまに書いてみると結構進みました。


ようするに、やらなくて後悔するよりやって後悔しろって事ですっ。





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