◎1.煌めく世界ときみ
「おー! たくさんの人!」
そう嬉しそうに声を上げるのは、俺の恋人の折原臨也だ。
昔ながらの服装に身を包み、たくさんの群集を掻き分けながら進む。
俺たちは、花火大会に来た。
せっかくの週末だから、家でゆっくりしたかったのに臨也の野郎が夏祭りのチラシを突き出して嬉しそうに声を上げた。
「行こう!」
そして、わざわざ用意された浴衣を着て下駄まで履いて。
格好いいと言われたら、若干乗り気になった気もするが気のせいだろう。川の土手近くにある、結構有名なお祭り。花火が綺麗と有名だが、屋台もたくさん出ていてる。奥を見ようとしても目の見えない所まで人が動いてるのが見える。屋台から良い匂いがして食欲がくすぐられる。そういば何も食ってないな。
「シズちゃーん!」
先々進んでいた臨也は、俺の名前を呼びかけ振り返る。
その瞬間___。
どん、という爆発音と共に
一輪の大きな花が夜空に咲き誇った。
思わず息を呑んだ。
ここ数年、花火なんて中々見なかったからな。
綺麗で美しくて、だけど何故か儚げで。オープニングに飾る花火には、持って来いだな。
また、その真下にいる臨也の顔が花火の明かりに照らされて、とても綺麗に思えた。
次々と打ち上がり、
煌めく花火。
少し、夏祭りに心を踊らせる自分がいた。
※夏祭りお題その1です!
これから、お祭りが始まるって言う期待感です!←
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