4


臨也side









どうしようどうしようどうしよう。
シズちゃんの顔がみれない。

朝から、ドキドキしてばかりだ。
休み時間なんか、教室にいたら心臓が破裂しそうになる。


あぁ、もう。
俺はため息をつき、窓を見る。
曇った空が俺の心を表しているようだった。


何で、こんな悩まなくちゃいけないんだ。
そう想い、忘れようとするが忘れようとすればする程、
俺の頭の中は機能の事で一杯になる。

やさしかった手のひらや、すこし甘いいにおいや、柔らかかった額の温もりが、
俺の心を締め付ける。
ドクンドクンと心拍音が、響く。




「_____むかつく」



放課後、しばらく図書室で過ごしてから帰ろうと窓を見ると、
土砂降りの雨が校庭を濡らしていた。


「うわ」


本に集中して気付かなかった。
といっても、ほとんどは静雄の事を考えていたが。

早く帰ろうと思い、下足ホールへと急いだ。
トクン、と心臓が一際大きく鳴った。



シズちゃん、だ。



そこには少し困った顔をして空を見上げている
静雄がいた。

傘を持っていないんだろう。俺は持っている、けど……。

一緒に入ろう、なんて絶対言えない。
けれどこのまま目の前を通って帰るのも……。



でも、俺らは殺し合いなんてしてるんだから。
俺は、シズちゃんなんて嫌いだから、死ねばいいと思っている。
だから入れてやる必要なんて無いはず。

そんな、今となっては嘘か本当かも分からないことを
心の中で決め付けて。


帰ろう。


足を踏み出す。
傘を広げてさして。

これで良いんだ。




















気付いたら、静雄の前に立っていた。







「シズ…ちゃん、………入る?」














※続きます…っ







Top Main







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -