◎4
臨也side
どうしようどうしようどうしよう。
シズちゃんの顔がみれない。
朝から、ドキドキしてばかりだ。
休み時間なんか、教室にいたら心臓が破裂しそうになる。
あぁ、もう。
俺はため息をつき、窓を見る。
曇った空が俺の心を表しているようだった。
何で、こんな悩まなくちゃいけないんだ。
そう想い、忘れようとするが忘れようとすればする程、
俺の頭の中は機能の事で一杯になる。
やさしかった手のひらや、すこし甘いいにおいや、柔らかかった額の温もりが、
俺の心を締め付ける。
ドクンドクンと心拍音が、響く。
「_____むかつく」
放課後、しばらく図書室で過ごしてから帰ろうと窓を見ると、
土砂降りの雨が校庭を濡らしていた。
「うわ」
本に集中して気付かなかった。
といっても、ほとんどは静雄の事を考えていたが。
早く帰ろうと思い、下足ホールへと急いだ。
トクン、と心臓が一際大きく鳴った。
シズちゃん、だ。
そこには少し困った顔をして空を見上げている
静雄がいた。
傘を持っていないんだろう。俺は持っている、けど……。
一緒に入ろう、なんて絶対言えない。
けれどこのまま目の前を通って帰るのも……。
でも、俺らは殺し合いなんてしてるんだから。
俺は、シズちゃんなんて嫌いだから、死ねばいいと思っている。
だから入れてやる必要なんて無いはず。
そんな、今となっては嘘か本当かも分からないことを
心の中で決め付けて。
帰ろう。
足を踏み出す。
傘を広げてさして。
これで良いんだ。
気付いたら、静雄の前に立っていた。
「シズ…ちゃん、………入る?」
※続きます…っ
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