ss02













池袋を歩くのは、1ヶ月ぶりだ。
この1ヶ月は仕事が詰まって、
ずっと家に引きこもっていた。
一段落ついた仕事、久しぶりにシズちゃんの顔でも見に行こうかなと思い、こうして来た訳である。
メールや電話なんかは中々しなくて、するとしたらお互いの家に向かう時とかそれくらいだ。だから、こうして1ヶ月も間が空くと少し恋人の温もりが欲しくなったりするのだ。



少し歩いていると、突然腕を掴まれた。


「……ッ」

油断した、
一瞬、俺を狙いに来た逆恨みの奴かと思ったが、この掴んでいる力の強さは並大抵じゃない。


「いたたたたっ、ちょ止めてシズちゃん」


さすがに、腕を折られうなので声を上げて振り払おうとする。
少し力を弱めたが、腕を放そうとはしない。


「………」


そして無言で路地裏に、引っ張っていく目の前の男。
怒っているような、寂しそうな、そんな顔をして。


路地裏に行くと、俺を壁に押しつける。
少し、寂しさが混じったサングラス越しでは無い瞳。


もしかして、寂しかったのかな?

「…………」


眉間に皺を寄せる。あれ、もしかして口に出ちゃってた?


「……やっぱり、何日も見ないと落ち着かねぇんだ…」


……もうシズちゃんったら、何でそんな俺をドキドキさせる事ばっか言うかなぁ。しかもシズちゃん、全然恥ずかしそうにしてないし……。改めて思うけど、絶対一般の人間とシズちゃんとの恥じらう部分が違うよね。


「なぁ……キス、して良いか?」


耳元で低く囁かれれば体が震えそうになる。
俺は、分かるか分からないかぐらいで頷いてみせた。


ゆっくりと、近づいてくる静雄。


何回か、軽いキスをしていると、途端に俺を強く抱きしめてきて。


「好きだ」

と言うから、俺もと答えてまたキスをする。


その言葉だけで、俺は元気になれる。















※何日も会ってないっていうシチュ好きです。
その分、お互い甘えるような気がして^^*




Top Main







人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -