愛しくて。







携帯のカレンダーを見て、今日何回目か分からない溜め息をつく。



「シズちゃん…」



愛しい人の名前をつぶやく。
殺したくて殺したくて仕方ない、愛する人。
最近、静雄の仕事が立て込んでるらしくて
もう二週間近くも会っていない。


夜にメールか電話かしようかな、と思うが疲れてるのに迷惑じゃないかとか色々考えて結局何も出来ないままこんな時間が過ぎていって。


付き合う前だと、こんな時間何とも思わなかったのに今は何かがあれば静雄の事ばかり考えている。
こんな自分がイヤになる。



考えば考える程辛くなって、苛立ちだけが積もっていく。
自分だけが、こんなに好きなんじゃないのかって不安にもなる。
たったの二週間でこんな状態だったら、一ヶ月二ヶ月になったらどうなるんだろう。



「………もう、1時過ぎか」



そろそろ寝ようかな、と思いノートパソコンを閉じようとした時携帯が震えた。



「誰だろ?」



もしかしてシズちゃんかな、とか淡い期待を抱いてみるけどよく見ると仕事用の携帯で。

自分でも、呆れるくらい落ち込んでいるのが分かった。
仕事内容の確認をして返事をし、携帯を閉じた。



その瞬間、インターホンの音が部屋に鳴り響く。こんな時間に誰だよ、と警戒しながらドアを開けるとそこにいたのは。


「よぉ、遅くに悪いな」


会いたい、と今まで思っていた相手だった。


「……え、どうした…の?」


混乱する。何でこんな時間に?何でいきなり?疑問でが頭の中でぐるぐる回る。



「いや、何か最近会ってないから会いたくなってよ。どうせだったらいきなり行った方が驚くかな、と思っていたらそこらへんのチンピラに絡まれて遅くなった、…もしかして、迷惑だったか?」

そう言って、頬を掻き少し寂しいな表情をする静雄。



「いや、迷惑じゃない……よ…」



目元が熱くなって、少し鼻声になる。
こんなにも嬉しいのか。静雄が来てくれるだけで、今までの不安と苛立ちが一気にどこかへいった。



「………ッ」



抑えきれなくなって、静雄をギュッと抱きしめた。



「ど、どうしたんだよ」



焦る静雄、だけど今はそんな姿すら愛おしくて。
涙を必死に堪えようとするけど、我慢しようと思えば思う程溢れてきて。


「会いたかったよ……っ」



そんな事を口走っていて、慌てて静雄の方を見上げると、静雄の顔は耳元まで朱に染まっていて。



「そんな可愛い事言うなよ、もっと好きになるだろ」



そう囁かれて、さらに涙が溢れてしまう。
こんなにも俺の事を、好きでいてくれてるんだ。



そして二人は、甘い甘いキスを交わした。













※思った以上に長くなりました…!
悩む臨也可愛すぎです、乙女です。






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