図書室で








グランドからの野球部やサッカー部のかけ声、音楽室からの吹奏楽の音色が聞こえる放課後。



俺は図書室の一角を占領し、テスト勉強に嫌々ながらも励んでいた。


理由は、あいつの一言だ。



「次のテスト、1つでも赤点取ったら別れるよ」




恋人の折原臨也に今日の朝、学校へ来るなり凄い剣幕をして俺の所へきたかと思えばそう告げたのだ。
何でも、臨也は俺が次のテストの点数がヤバければ留年するかも知れない、とどこからの情報か聞いたらしい。



「俺がみっちり教えてあげるから、次のテストは絶対高得点だよ!」



そう言うなり自分の席に戻り、なにやら考え事をしている様子だった。
そうして今日の放課後、俺はうんうん悩みながら問題集と睨み合う事になったのだ。
普段なら、テストなんかどうでも良いが、別れると言われれば焦らなくてはならない。
少しでもいい点数を取れるよう、必死に手を動かした。



「ここは、こうだよ。……こんなの中2で習う事だよシズちゃん」



溜め息混じり声で間違いを指摘される。
……ちょっとやばいかもな、コレは。

必死に問題を解いて臨也に見せる。


「ん、じゃあ次はここからここまでね。頑張って自分でやるんだよ」


「ん」



そう言って臨也は、図書室から借りてきた本をパラパラと捲り読み始める。



臨也の整った横顔を見て、不意にキスをしたくなった。
という訳で、頬に軽く口付けてみる。


「〜〜〜!?」


こっちにバッと向き直り、頬を赤く染める。そういう行動すら愛しく見える。



「……こういう事してるなら、早く問題解いてよ」



呆れたように言う臨也。
また、問題集と向き直り頭を悩ませていると……。


「シズちゃん」


声が掛かったので顔を上げると、




唇に温かい何かがぶつかった。



勢いが強かったのか、カツンと歯がぶつかる。
何が起こったのか理解できたのは、数秒後だった。



どれだけ経ったか分からない。
とくん、とくんと自分か臨也のか分からない心臓の音が聞こえる。





そっと離された唇と唇。

臨也は、さっきより頬を赤らめはにかむ。








「ふふっ、不意打ち」







その後、俺はまったく問題に集中出来なかった。
……テスト大丈夫かな。

















※最後の、一言に悩みまくりました…。
学生って響きだけで何か色々妄想出来ますよね!!


お粗末さまでしたっ





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