汗がぽたりと垂れた。田舎って、夏って、どうしてこうも暑いの。大体こいつ、人を呼んでおいてクーラーが壊れてるってなんなの喧嘩売ってんの。帰りたい。ああでもお日様が丁度頭のてっぺんにあって外も比べ物にならないくらい暑そう。


「……」
「…ねえ、泰葉「触るな」えっ」
「今わたしに触ったら後世まで祟るぞ」
「なんで!?」


理由は明々白々。わたしが超ド級の汗かきだから。ただでさえ服が汗で濡れて気持ち悪いのに、触れられたらもう…うわあああ…。想像しただけで気持ち悪い。


「せっかく二人きりなんだからさ、何かしないと」
「じゃあクーラー直せよボゲ」
「口!悪いから!暑いの本当駄目なんだねえ」


他人事だと思って…。余裕な徹は涼しい顔をして見せる。神様どうかこいつを殴る気力をください切実に。


「触るなって言われるとさぁ、余計触りたくなるよね」
「まじでやめろやめてください刺すぞ」
「不穏だなぁ…ま、やめないけど」


確実に距離を詰めてくる徹に後ずさると、肩を押されて床に倒れた。


「…泰葉、首に汗が伝ってすごくえろ「何すんじゃボゲエエエ!!!!!」ぐああッ!?!」


倒れた衝撃で背中が気色の悪い感触でいっぱいになる。思わず体を起こすとおでこが徹の顔にクリーンヒットした。


「うあああ背中がっ背中があっ!!」
「は、はな、俺の鼻が!!!」


額の痛みや徹の喚きなどどうでもいい。絶対に絶対に絶対に許さないトオルオイカワ!!!


「もうやだー!!!!」
「それ俺のセリフだから!!」






(もうやだこの汗、この体質…)
(じゃあ泰葉、一緒にシャワー浴びよっか)
(嫌に決まっとるがな)
(じゃあせめてキスだけでも)

フラフラ、振られ、触れる。






オチが弱くてすみません。