※会話文、!多め
「あ"ーもうわけわかんねえ!!!!!」
「うわああああああ!?!?」
『僕らの相思相愛とは』
今日も教室には小さな彼らの大きな声がこだまする。
「お前西谷!!ふっざけんなよまじで!!!」
「そんなとこに飲みもん置いてんのが悪いんだろ!?俺のノートも濡れた!!」
「ばっかじゃねえの!!お前のノートと菅原先輩のノートじゃガリガリくんとハーゲンダッツぐれぇ価値が違うんだよボケ!!!」
机を挟んでびしょびしょになったノートを慌てて拭きながら、彼らは大声で言い争いを繰り広げる。一先ず水分を拭き取り終わると、今度は互いの胸ぐらを掴みあっての喧嘩が始まる。
「元はと言えばお前が普段から真面目に授業受けねぇからテスト前に慌てることになんだろうが!馬鹿なくせに寝るんじゃねえよ馬鹿!!」
「佐和だって寝てんじゃねえか人のこと言えんのか!?」
「毎日寝てるみたいな言い方すんなボケ西谷!!午後イチの授業が国語の時だけじゃい!!」
「おいおいお前ら、こんな真昼間の教室で喧嘩すんなよ。廊下にまで声響いてるぞ」
「力!いいところに!」
「縁下!ちょっと聞いてよ!」
「なんで毎回俺がお前らの仲介に入らなきゃいけないんだよ…ていうかお前ら、そんなに仲悪いのになんで付き合ってんの?」
「え、なんでって」
「そりゃまぁ」
「「こいつが好きだから」」
「…ああ、ハイ、なるほど…」
それがお前らの愛の形なわけね、と縁下が呟けば、二人は不思議そうに首をかしげた。
「ところで西谷、先輩のノートどうする」
「あ」
(ああノート?あれ二年のときのだから別に気にしなくていいべ)