久々の、部活のない日曜日。いいニオイに誘われて台所に向かうと、姉ちゃんがせっせとごはんをつくっているところだった。


「あ、おれも手伝う…」
「わあ、びっくりした。おはよう翔陽」
「うんー…」


目をこすると、まだ眠い?と笑われた。あくびをひとつして、姉ちゃんにおぶさるようにくっつけば、おれよりちっちゃい手がおれの手を叩いた。


「こら、高校生。もうお姉ちゃんよりおっきいんだから、べたべたくっつかないの」
「なんだよそれー。おれよりちっちゃくても姉ちゃんは姉ちゃんだもん」
「はいはい、もうすぐできるから顔洗ってきなさい」


あっちこっちに動く姉ちゃんにしがみついたら、もう、とため息をつかれてしまった。


「もうちょっと…だめ?」
「…あと一分だけね」
「うん!」


ぎゅっと力を込めれば、優しく頭を撫でられた。やっぱり姉ちゃんは優しくてあったかくて、おれの自慢のだいすきな姉ちゃんだ!


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