「仁花!!!」


体育館に女子マネージャーの名前を呼ぶ声が響いたかと思えば、次の瞬間、名前を呼ばれた谷地仁花は誰かに抱き締められていた。


「うわわわわ!す、すみません!!」
「いやいやぁ、こちらこそ突然名前呼んじゃってごめんね。呼び捨てにしたし」
「そんなそんな!ぜ、全然大丈夫ですますハイッ!!」
「(ですます…?)ん、ありがと」


彼女を呼んだ声の主、及び彼女を抱き締めていたのは同じくマネージャーで二年の佐和泰葉。男子バレー部の部活中である体育館では、度々ボールが飛んでくる。まだ入部したばかりの仁花は避けるのも一苦労で、今のように泰葉にはときどき助けられている。


「すみませーん!だ、大丈夫でしたかっ!?」
「うん、わたしらは大丈夫。でも仁花ちゃんまだちょっと慣れてないから、流れ玉気をつけてね、日向」
「は、はいっ!!」


早く戻って来い日向、と呼ばれると、小さな巨人を目指す彼はお辞儀をして去っていった。


「泰葉ちゃん大丈夫?腕、赤い…」
「大丈夫ですよ、鍛えてますから!潔子さんも仁花ちゃんも守りますよーわたし!」
「泰葉先輩かっこいい!」


烏野排球部マネちゃんトリオの日常




(ノヤっさん、あれは楽園か)
(天国とも言うぜ、龍)


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