【澤村さん、助けてください】


谷地さんからのメールに添えられた写真をみて、重い足を引きずって教室を出た。




「さ、澤村さん…」
「はあ…ごめんな、本当に」


保健室のソファーで、大胆に谷地さんの膝を枕に寝ていた泰葉。スカートだというのに足を広げて寝ているせいで、あと少しで下着がみえそうだ。


「おら、泰葉。起ーきーろ」
「んむう、やっちゃんのやわはだ…」
「ひゃっ!」


谷地さんの内腿を撫でて夢の中から出てこようとしない泰葉を無理やり剥がし、とりあえず彼女を逃がす。


「あ、ありがとうございます!すみません!」
「いやいやこちらこそ…ほら、起きろ!」
「んふふぅ…」


幸せそうな寝顔。しかし今ほど場違いな場面もそうそうないだろう。谷地さんにあとは任せてと伝えると、すみませんと頭を下げながら保健室から出ていった。


「…さて、これをどうしようかね」


ほっぺをつつけばまた、んふふと笑って幸せそうに眠った。


「…そういう顔、男の前でみせるとどうなるか知ってるか」
「えー、佐和わかんなぁい。教えて澤村クン」


顔を近付けたら急に泰葉の目が開いて、心臓が飛び跳ねた。


「おまっ、起きてたのか…!」
「今起きたの。まさか大地に寝込み襲われる日がくるなんて」
「襲ってない」
「でもその気はあったでしょ?」


ふふふ、と笑う泰葉の顔を直視できずにいると、俺の首に細い手が回った。


「大地、先生来ちゃうかもよ」
「じゃあ離せよ」
「んー、ちょっと待ってねー」


体を起こした泰葉は俺の唇を啄んで、保健室にはリップ音が響いた。人が来る前に離そうと暴れると、泰葉の上に倒れてしまい唇が離れた。


「ぐえっ!大地、おも!重い!!」
「お前が離さないからっ…って、どこ触ってんだ!」
「むふふ大地のおしり」
「この変態が!」


すると、ドアが開く音がした。


「失礼しまーす、三年の菅原と一年の日向ですが…え、大地?」
「え、大地さんいるんですか?こんにち「日向!みちゃいけません!大地お前っ学校で何してるんだよ!」
「スガ!ご、誤解だって!おい泰葉いい加減って泰葉?泰葉?おい寝るな!!」


(泰葉のせいでひどい誤解を…)
(やっちゃんの太ももいい寝心地だった)
(馬鹿)
(大地のおしりもいい触り心地でした)
(大馬鹿!)



澤村さんと谷地さんの呼び方が謎。合ってるのかしら。とりあえず澤村さんのおしり触りたいんです。


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