「由々しき事態だ…」
わたしは頭を抱えていた。困った、本当に困った。目の前に座る相談相手の月島くんはそんなわたしを横目に紙パックの飲み物を啜った。
「忠がね、最近益々こう…成長してね、前までかわいいとしか思ってなかったのにふとした瞬間に男らしいところ見せられてどきどきしちゃって…もう、抑えられそうにないの」
「抑えなかったらどうなるんですか」
「押し倒して犯す」
「うわぁ」
「だって忠がさあ」
かっこよくて仕方ないんだもの、と深くため息をつくと、横からごほんという咳払いが聞こえた。
「あの、泰葉さん、そういうのって本人がいないところで言うんじゃないんですかね…」
「わたしは月島くんに相談してたもん。ついてきたの忠でしょ」
「だ、だって泰葉さんがツッキーと話したいなんて言うから…」
眉をハの字にしてごにょごにょと言う忠はやはりとてもかわいい。触りたいなぁどこにとは言いませんが。さすがにお昼だからね、自粛しますよ。
「あーあーお熱いですねぇ。暑苦しいんで僕を解放してもらっていいですかね」
「いいよーありがとうね月島くん。わたし早速忠とあんなことこんなことすることにしたよ」
「!? ツッキーお願い二人っきりにしないで!!」
(忠はそんなにえーと、なんだその…嫌?)
(そんなんじゃ…ただ、)
(ただ?)
(そういうのは、俺がリードしたいから…)
(…忠…)
(す、すいません生意気言って…)
(わたしの理性が限界を訴えている)
(こ、堪えてください!!)
山口さんにセクハラしたい病。