※名前変換無し




「ねえ、音村くん」
「なに?」
「音村くんはいつもどんな音楽を聴いているの?」


私はわくわくしながらそう問うた。音村くんはいつでもヘッドフォンをつけていて何かを聴いているんだけれど、音漏れなんて一切しないし、私には何を聴いているのかなんて皆目検討もつかなかった。


「色々だよ」
「それじゃ分かんない。例えば?」
「そうだな、ロックとか」
「うわ、意外」
「クラシックとかも聞くけど」


幅広いんだなあと思っていると不意に音村くんの翡翠色の瞳が私を射抜く。眼鏡越しでも綺麗な彼の瞳に見つめられていると思うとなんだかドキドキして、慌てて俯く。


「じ、じゃあ今は何聞いてるの?」
「今は何も」
「え?何も聞いてないの?」
「うん」


思いも寄らなかった言葉に顔を上げると音村くんはにこにこと笑いながら私を見ていた。


「どうしてか知りたいかい?」
「う、うん…知りたい」


疑問を抱いた私は当然音村くんの言葉に首を縦に振った。すると彼はポケットから音楽プレーヤーを取り出してそれを掲げながらまた私を見つめる。そして、ゆっくり口を開いた。


「君と話す時は曲を止めてるから」


音村くんの唇がそう動いて私の耳に柔らかい声が届いた時、心臓の音が急にうるさくなった。


悩殺スマイル!


***
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ロードさまへ!

100311

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