俺には可愛い彼女がいる。みょうじなまえ、俺から見るとフィルターが掛かって見えるんじゃないかとか、そういうのは関係なく、彼女は可愛い。普通の女の子なんてそんなのじゃなくて、ただ教室の中でぼんやりしていても耳に入るのは「みょうじって可愛いよな!」とかそういう会話。ああ、黙れ黙れ黙れ!なまえは俺のだ!…とは言うものの、正直俺は釣り合ってるような気がしなかった。可愛い彼女に、平々凡々な俺。見た目で悪いことも良いことも言われたことがない俺はきっと並なんだろう。いや、普通が一番だ。分かってる、分かってるけど…。


「やっぱ不安だって…」
「なにが?」
「うわあ!?え、あっ、なまえっ…?」
「うん、おはよう半田くん」


にこにこといつものように笑みを浮かべるなまえは俺の前の席に鞄を下ろして腰掛けた。その薄らと色づいた頬や長い睫毛、可愛らしい笑顔。俺の自慢の彼女。「おはよう」と言う返事に少し元気がなくなってしまった。


「あれ、どうしたの?なんか元気ないね」
「い、いや、なんでもない!」
「そう?変な半田くん」


変じゃない、いつも通り。こんなことを考えるのはいつも通りなんだ、ただ今回は偶然それが表に出てしまっているだけで。はあ、と溜息を吐くと心配そうに俺を覗き込んでくるなまえ。


「ねえ、本当に大丈夫?」
「…あのさ、なまえ。なまえは俺と付き合ってていいのか?」
「ん?」


不安げになまえを見るときょとんとした表情の彼女。何とも言えなくてそっと視線を彼女から外した。


「俺みたいな普通のやつと付き合ってていいのかなーってこと」
「半田くんは普通じゃないよ」
「へ?」


今度は俺がきょとんとする番だった。そしてまたなまえはにこにこと笑う、眩しすぎるほどの笑顔で。


「雷門中サッカー部のMFで、かっこよくて、真面目で、私の自慢の彼氏!ほら、普通じゃないでしょ」


少し照れたように言うなまえに暫く唖然として、それから徐々に胸の中から幸せな気持ちが溢れていく。馬鹿なこと考えてたなあ、とか何とか今更ながら思ったりして。


「なまえ、好きだ!」
「私もだよ!」


彼女の名前はみょうじなまえ。とっても可愛くみんなに人気があり、俺の自慢の彼女である。普通なんて言葉が全然似合わないくらい、世界一素敵な女の子だ!



多少はフィルター掛かってますけど、

(それを抜いても可愛い!)(中途半端の癖に惚気るなって感じだよねー)(うるさいマックス!)


***
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さがらさまへ!

100216

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