「吹雪くんのマフラーって、羊みたいだね」
「羊?」


そう言いながらみょうじなまえちゃんは僕のマフラーを両手で掴んで頬を綻ばせている。何がそんなに楽しいんだろうと思って首を傾げていると、マフラーに顔を埋めた。あ、可愛い。


「いいなあ、もこもこ」
「なまえちゃんも巻いてみる?」


そう言ってなまえちゃんを近くに引き寄せると、僕はその首にマフラーを掛けた。わあっと嬉しそうな声を上げて僕に擦り寄るなまえちゃんが可愛くて、思わず頬が緩んで…ああ、駄目だ。ただの変態だなんて思われたら大変だもんね。引き締めて、引き締めて。


「私、吹雪くんのマフラーになりたいなあ」
「え?」


思わぬ言葉にきょとんとした表情を浮かべてしまう。もぞもぞと僕のすぐ横でなまえちゃんが動いて顔を僕へと向けるとへらりと笑みを浮かべた。


「だって、吹雪くんとずーっと一緒にいれるし、もこもこだし、気持ち良さそう!」
「なまえちゃん…」
「あ、でもマフラーになったらもこもこなのは分からなくなっちゃうのかな?それだと困るなあ…」


うーんと考え込む様子のなまえちゃん。でも僕にはその前の言葉が嬉しすぎて引き締めようと思っていた頬が緩んでいくのを感じた。僕と一緒にだなんて、本当に可愛いことを言ってくれるんだなあ。すぐ隣にいる彼女の肩に手を回して抱きしめながら、僕はなまえちゃんの髪にキスをする。


「吹雪くん?」
「なまえちゃんはそのままでいいんだよ」
「え?」
「僕は今のなまえちゃんと一緒にいたいんだから」


そう言ってみせれば頬を真っ赤にするなまえちゃん。そのまま笑顔を浮かべる彼女に釣られるようにして、僕も微笑む。


「マフラーならいつでもこうして一緒に巻いてあげる」
「うん、ありがとう、吹雪くん。大好き!」


僕は幸せそうに笑うなまえちゃんをぎゅうっと抱きしめて、こう言った。



「僕も大好きだよ」




100109

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