ひろみ1:6章、それぞれの言い分
ナレータ1:四天王任命から三ヶ月経った。外はすっかり緑色の木々でいっぱいだった。
葉月1「暑い…」
朝姫1「暑い…」
拓巳1「暑い…」
優花1「…はぁ…ちょっと飲み物買ってくるわ」
葉月2「コーラ!!」
朝姫2「ソーダ!!」
拓巳2「烏龍茶で…」
優花2「はぁ…大人しくしてるのよ」
ナレータ2:優花はそう言うと自販機へと行く。
生徒A1「だよなー。なんで見習いが四天王なんだろうな」
生徒B1「先生もどうかしてるよなー」
優花3「…それは失礼じゃない?私たちだって必死に頑張っているのよ?」
生徒A2「わ!?何だよ…って四天王No.4の三笠優花じゃん」
生徒B2「あんた、安藤葉月と親友なんだってな、へぼいよな」
優花4「……は?もう一回言ってみなよ?」
生徒B3「安藤葉月と親友って、へぼいよなって言ったんだよ」
優花5「…あんたらに葉月の何がわかるって言うのよ!いきなり任命されて、けど頑張って!!ひがんでんじゃないわよ!」
生徒A3「はぁ!?てめえらみたいに見習いの分際で!!何ができるってんだよ!」
葉月3「優花?」
朝姫3「何だ、ナンパか…」
拓巳3「……ねえ、今、見習いの分際でって聞こえたんだけど?」
生徒A4「そうだ、見習いの分際で何ができる?安藤葉月なんか魔法もまともに使えねえくせに」
葉月4「確かにそうだけど…けど!」
優花6「葉月…」
葉月5「見習いでも!四天王であることは変わりない!私はその役割を果たす!!」
ひろみ1「そして28代四天王の私を越えるんだよね?」
日向1「お?俺も越えてくれるんだ?」
航平1「俺の兄も越えるんですね?」
生徒A4「ゲ…。最凶トリオティーチャーズ…」
生徒B4「チ…行くか」
ナレータ3:その生徒達が去って行くと、その場の空気が淀んでいるのがわかった。
朝姫4「はぁ…なんなんだよ…」
ひろみ2「私のときよりはマシね」
拓巳4「何ができる…。か…」
優花7「許さない…」
日向2「優花?」
優花8「絶対見返してやるわ!!頭もあがらない程!!」
葉月5「ゆ…優花が…」
朝姫5「燃えてる…」
拓巳5「フフ、優花に賛成だよ、俺も」
朝姫6「拓巳…」
拓巳6「だってさ、四天王ってそのためにあるんだよ?」
朝姫7「じゃあ!!俺も!!見返す!!」
葉月6「私も!!頑張るよ!!」
日向3「すげー団結力…」
航平2「昔の俺達みたいですね…」
ひろみ3「フフフッ!楽しみだね…これから先の四人…」
葉月7「よーし!いっちょ、頑張りますか!!」
ナレータ4:四人の絆が更に深まったときだった
ひろみ3「じゃあ、私たち、仕事と会議があるから仕事はなしだよ?」
葉月8「え!?そうなんですか!?」
日向4「まあな、だから解散〜!!」
ナレータ5:帰り道。女子、男子に別れて帰っていた
拓巳7「朝姫…俺さ、好きな人いるんだ」
朝姫8「は!?誰!!誰!?」
拓巳8「人妻」
朝姫9「…は?へ?ほ!?はあぁぁ!?ちょ!?ひ、人妻って!?え、えぇぇえ!?」
拓巳9「クスッ。朝姫。ちょっと落ち着こう?」
朝姫10「い、いやいや!!ムリだって落ち着けねえよ!!な、なんでそんな!?」
拓巳10「笑顔が可愛かった…」
朝姫11「へ…へぇ」
拓巳11「人妻には見えなかった」
朝姫12「…ごしゅーしょーさん」
拓巳12「そういう朝姫はこのままでいいの?」
朝姫13「はあ?なにが?」
拓巳13「だってとられるよ?可愛い幼なじみ」
朝姫14「べ!?別に葉月は!」
拓巳14「そーやってごまかしてたら後悔するよ?」
朝姫15「そう、だよな…俺っていつも…」
拓巳15「わかれば大丈夫だね」
朝姫16「だよなー、よし!!頑張るぞー!!」
拓巳16「程ほどにね」
朝姫17「おう!!じゃあな!!拓巳」
ナレータ6:一方、女子は…
葉月9「優花と、帰るの久しぶりだね」
優花9「えぇ、中学生以来ね」
葉月10「けど、びっくりしたよ、優花があんなに熱くなるなんて…」
優花10「悔しかったのよ、あんなこと言われるの」
葉月11「まぁ、そうだよねー。頑張って行かなきゃ!!」
優花11「…そうね。…で、葉月は航平先生がお気に入りのようだけど?」
葉月12「あ、そ、それは…ねえ…」
優花12「ふーん、可愛いわね」
葉月13「そ、それは、うぅー」
ひろみ4「あれ?二人共、まだいたのね」
優花13「ひろみさん、葉月が航平先生が好きだといっています」
葉月14「そ、そんなこと、言ってないって!!」
ひろみ5「へえ〜、航平、独り身だからね〜付け込みやすいかもね。あーいう風に気取ってるけど、かなりの甘えん坊だから、葉月ちゃんにはいいかもね」
優花14「ですね。…けど、朝姫も似合いますよね」
ひろみ6「うん。確かに。あの子、航平の兄に似てるかな。あんまり弱い所見せないでしょ」
葉月15「あ、はい、よくわかりましたね」
ひろみ7「生徒の見る目はあるつもりよ?」
優花15「そして、生徒にからかわれる才能も」
ひろみ8「…またそういうことを…」
葉月16「アハハハハ!!」
優花16「じゃあ、ここで」
葉月17「バイバイ優花!!先生、さようなら」
ひろみ9「さようなら」
ナレータ7:それぞれ、家に帰ると皆、精霊と話していた。
日向5「お!!おかえり、ひろみ!!」
ひろみ10「ねえ…日向」
日向6「どうした?」
ひろみ11「今回の四天王、いい線行くよね?」
日向7「…そうだな」
ナレータ8:次回に続く