青春短し、恋せよ音也 | ナノ


俺は一十木音也!アイドルになる為に、この早乙女学園に通っている生徒の1人。同室は一ノ瀬トキヤって言って、本当に歌が上手いんだ!でも俺が気になってるのはトキヤじゃなくて、そのパートナーをしている名字名前って子。最初、確かに上手だけど機械みたいに歌っていたトキヤが、急に上達しててびっくりしたことがあった。要因はなんだろう、って思ってた時に、トキヤから紹介されたのが名字!同じクラスなのは知ってたけど話したことなくて、ほぼ初対面な感じ。顔も下を向いててあんまり見えなかったことも覚えてる。





「見て見てトキヤー!名字から返信きたんだよー!」

「…そうですか。良かったですね」

「うん!嫌われてるのかと思ったけど、内容に困ってたから遅かっただけみたいっ」

「音也の送る内容が悪いのではありませんか?」

「えー!そうかなー?」





一昨日した連絡に、名字から返信があったことがすごく嬉しい。トキヤはほとんど毎日会って話してるようだけど、俺は毎日会ってるのに会話はほとんど無い。休憩時間になると、名字はすぐトキヤの所に行っちゃうしなー。席離れちゃってるし。Sクラスによく行くからか、翔とも仲が良いみたい。俺ももっと仲良くしたいなあ。とりあえず、さっきトキヤに言われたから、送る内容に気をつけながら送信してみる。次はいつ返ってくるかなあ、と思ってたら通知音が鳴った。





「…あ、俺じゃないや」





ってことはトキヤかー。俺はベッドにダイブして、どうやったら名字と話せるか考えてみた。うーん。やっぱりおはようって毎日言いたいなあ。でも名字はぎりぎりまでSクラスに居るみたいで、なかなか朝は話しかけられないし。あ、それなら俺がトキヤと一緒にSクラスに登校すれば名字と会えるってことだよね!





「音也、」

「あ、トキヤ!明日一緒に…」

「この内容だと、またしても返信は遅いかと思われます」

「へっ?」





トキヤの携帯の画面を向けられ、覗き込めばさっき俺が打った名字に送信したはずの内容だった。





「な、なんでトキヤにいってるのー!?」

「それはこっちの台詞です」






(あ、一十木君だ…。返信早いなあ。ってあれ?一ノ瀬君にも送ってある。うん?じゃあ、これは私に送ったものじゃないのかな…?)




← / →