ペンギン恋愛成就 | ナノ
▼04

『あ。お、おはようございます!』

「ああ。おはようございます」

『(返してもらえたっ)』

「今からフルートの練習ですか?」

『あ、ははははい!』

「前から思ってたのですが…どうしてそんなにどもるのです」

『いやえっと、これは…!』

「一緒に居た方とは普通に話せてましたよね」

『え?ああ、いえ…家が隣なので…』

「へぇ…。ああ、そういえば。私のフルネームを教えてなかったですね。一ノ瀬トキヤです」

『一ノ瀬、トキヤ……えっと、』

「お好きに呼んでください」

『へ!?いや、え!?』






どうする私!?そりゃもちろんトキヤ君とお呼びしたいよ。そして名前って呼ばれた…きゃあああ!今のなし!今のなしっ。ていうか顔熱い。想像しただけでこんな…。本物だったら呼ばれる度に失神する。






「?どうしま 「うおっとおおお!誰かと思えば名前じゃねぇか!」 …あなたは、」

『咲月?なんでこんな朝早く…』

「ちょっと部活でなー」






咲月が横から手を肩に回して来る。一ノ瀬さんめちゃくちゃ見てるし。ちょっと誤解されちゃうじゃんか!






「あれあれ。一ノ瀬さん、うちの名前に何か用ですかあ?」

『ちょ…!』

「ええ、少し。ですが、また今度にしましょうか。もう戻らなくてはなりませんので。…では名前。また」

『う、え!?い、…ええええ!?』

「ぎゃああああああ!俺の名前があああああああ!」






ああ、今全世界の皆様に業務連絡いたします。本日、鳥明名前は、一ノ瀬トキヤさんに、恋をしました!






「え?今までも好きだったよね?」

『今までのは憧れだよ』

「!!俺のばかばかああああっ」