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ペンギンは夢を見る。
「いつかあの空を飛びたい」と
ペンギンは夢を見る
「地平線の向こうへ行きたい」と
例え無理だったとしても、
夢を見られずにはいられない。
『一ノ瀬さん…』
早乙女学園の向かい側にある学校。そこに通う私は、いつも朝早くにランニングをしている一ノ瀬さんに一目惚れした。汗を流す姿も大変お美しい…!私も早乙女学園に通えたら!
『芸能的センスも知識もないけどね』
「なんや鳥明。先生にそんなセンスを求めとんのか」
『ぎゃっ』
おっと。私としたことがいつの間にか授業に出ていたらしい。この学校ではイケメンに入る、関西出身の滝内先生が目の前にいる。タレ目の下にある泣きボクロがセクシーらしい。私には分からん。一ノ瀬さんの方が完全にセクシーだ。
「罰として、放課後にノート集めて俺んとこ持ってきいやー」
『先生!放課後は一ノ瀬さんを見るという義務があります!無理です!』
「どんな義務や。あきらめろ」
『そんな酷い!うっちー!女の子に恋愛は大切なものなんだよ!しかも初恋となれば尚更 <キーンコーンカーンコーン> 「はーい今日はここまで。ちゃんと復習しときいやー」 うおおい!聞かんか生徒の話しをっ』
ひらひら手を振りながら出て行ったうっちーを見ながら、私はその場にうなだれた。
『うっうっ…今日は一ノ瀬さんが見れないなんて…』
「元気出しなよ名前。俺見とけばいいじゃん!」
『良くねぇよ』
「ぐすん…口が悪いよ名前ちゃん」
ぜっっったいに見るもん!
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