03
今日は22時までバイトして。その後はバイト仲間と少しおしゃべり。おもしろくて、なかなか帰れずにいたら、もうすぐで24時になりそうだった。
『え、しかもこんな時に雨なの。まじなの。天気予報の嘘つきこんちくしょー』
いきなりの雨に、私はそんなことを言って、ぱしゃぱしゃと水たまりを跳ねながら走る。明日学校休みだしよかった!帰ってゆっくりお風呂入って寝よう!うん!
そう考えていたら、急に辺りがぴかっと光った気がした。
『ひっ!雷!?』
でもしばらく経っても音がない。なーんだ、街灯か何かだったのかなー。なんて、走りながら思ったり。しかしそんな考えはすぐに覆された。
またぴかっと光り、雷じゃないならなんだ。と思って、足を止めてしまった。足を止めた直後、なぜか足元には星が散りばめられていた。
『…は?』
こんな時、学校のマドンナつぐみちゃんなら、きっと可愛いことのひとつやふたつやみっつ、言えるんだろうな。
目の前の現象が現実に考えられず。
あ、これ夢か。わたしいつの間にか帰ってお風呂入って寝てたんだなー、はは!とか考えてたら、今度は足がその星の地面に吸い込まれていく。
『え、うそ。まじ、え、なになになになになに』
夢だと分かった今でも少し怖くて。星に飲み込まれる夢って、夢占いだとどんな結果になるんだろう、なんて考えた。
『ま、目を瞑ってまた起きればベッドでしょ!』
だから私は、足掻くなんてしなかった。
(あー。王子様とか会えないかな)