01
「ねぇ、ちょっと」
ん。もう朝…?ちゅんちゅん、鳥の声が聞こえる。てかなぜか枕硬い。なんで?
「ちょっと。重たいんだけど」
『………枕がしゃべった』
「何その寝言。早く起きて上から退いて」
ん?この声聞いたことあるぞ。しかも話し方がそっくり。うわー、ついに好きすぎて夢にまで見てしまった。声もリアル。すごい、私天才。ふふ。
「…人の上でにやけないでくれる?ていうか君ダレ。警察呼ぶよ」
『………あり?』
警察。という一言に、私は反応してしまい、ずっと枕に伏せていた顔を上げた。目の前には、大好きな水色の髪をした彼。そして今まで枕だと思っていたのは、彼の腕だったみたいで。
え、何これ。どういう状況?
ぽかん、とする私を見て、ようやく退いたと溜息をつく彼は、何度見てもやっぱり彼で。私はまだ夢見てるのかな、と頬をつねってみた。
『…….ひたひ』
「何してるの。そんなことしたら痛いに決まってるでしょ?容量足りてないの?バカなの?」
この一言で、私は彼だと確信した。何これ、夢じゃないの?ちょっと待ってよ、どーなった。私どーなった。
確か、星が光ってて。うーん。地面に引きずりこまれて…。私そのまま目を瞑って、起きたらDVDでも見ようかなーって考えて。そして、あろうことか。目が覚めたら目の前には彼がいました。
とりあえず、夢でも、夢じゃなくてもどっちでもいい。
『藍ちゃんかわいいよおおおおおおおお!!』
「うわ!ちょ、やめ…っ!!」
抱きつくしかすることないよね。
(目の前で見る彼は、とても人間らしかった)