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06
部屋に案内してもらった私は、ベッドに腰掛けた。今日は本当に疲れた。知らない世界に来るし、結構歩いた気もする。明日は一度時計塔に戻って、それから大きい屋敷があったから行ってみよう。
「眠いのですか?」
『ん……、ちょっと。ペーターは寝ないの?』
「名前……僕と寝たいんですか?」
『そっか眠たくないんだ』
「酷いですよう…」
キラキラしてた時点で予想はついてたけど、その通りにされるとなんか嫌だ。泣くペーターを見ながら私はふと思った。今ならペーターと(不本意ながら)二人っきりだし、いろいろ聞けるかも。
『…ペーター』
「なんですか?」
『離れてください』
「嫌です!僕はあなたのことを愛していますから!」
『はぁ…。初めて会ったのに、なんでそんなに執着するのか私には分からないんだけど…』
「初めてではありませんよ」
『……?』
「初めてでは………」
『ペーター…?』
俯いたペーターの顔を覗き込む。するとばっと顔を上げて、私に笑いかけたかと思うとベッドに押し倒された。視界一杯にペーターが広がって、心臓が少し早く動く。
「ずっと気になっていたんですが…」
『何?』
「騎士とはどういった関係なのですか?城に来た時、なぜ一緒に居たんです」
『えっと…。お城に来る途中エースと会って…、エースが案内するって言ってくれたから一緒に来たんだけど…(結局自力だったな)』
「あの迷子癖のある人と来るなんて、すごいですね」
そう言われて、確かになと思った。ペーターは少し歪んだ顔をして、私にギュウッと抱きついてきた。ベッドの上だし、ペーター重いし、いろいろ苦しい。
『ペーター…、スキンシップが激しくない?』
「何言ってるんですか。これが普通ですよ。そしてこれは僕から名前への愛の表げぶっ」
『いらないからね』
「照れ屋なんですね。そんなあなたも愛してます」
『やめれ』
その後も、こんな感じの口論が続いた。ペーターが一緒に寝たいと駄々を言い出し、「ダメ」「寝たい」「ダメ」の繰り返し。そんなこんなで疲れた私は、いつの間にか眠りについてしまった。
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