センニチソウ | ナノ

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『ただいまー………?』

「あ、おかえり名前!」






バタン。ガチャッ






「なんで閉めたんだよー?」

『なななな!?なんでエースが!?』






扉を開けたら、エースがいた。しかもユリウスと一緒に。あまりの驚きに、素直に聞いてしまった。






「ははっ、親友のところに遊びに来るのは普通のことだろ?」

『親友?』

「誰のことを言っているんだ」

「水臭いなあ」






ユリウスは眉を寄せてエースと話している。この二人仲良いんだ。なんか意外な組み合わせ。






「名前は此処に住むんだっけ?」

『一応…。でも、考え直した方がいいかもって』

「どうして?」

『この塔………生活できるのがこの部屋しかない』

「なるほどねー。ははは、それは大問題じゃないか」






ユリウスはまた仕事に戻っている。でもなー、…ユリウスの傍が落ち着くというか。でも生活感ないし…。






「城に来る?」

『え?』

「女王陛下も喜ぶし、ペーターさんだって喜ぶと思うぜ?俺も歓迎するし」

『お城……』






確かに客室とか沢山あって、此処より生活はできるかも。






『んー…』

「な?いいだろ?」

『ん〜…』

「ユリウスもそう思うだろ?」

「…私は関係ないだろう」

「あるよー。名前が住もうとしている所の家主だ」






ユリウスは作業の手を止めて、エースを見た後に私を見た。






「…はあ。私も、城の方が良いと思う。此処には何かある訳でもなければ、遊ぶ奴もいない」

『ユリ、ウス…』

「別に出て行けと言ってる訳じゃないからな!……お前が過ごしやすいのは、城だと言っているだけだ。今から生活品を揃えるのは、お前も大変だろうしな」

『………』

「ユリウスもこう言ってることだしさ。城に来ない?」






うう…。今から生活品を揃えるのは確かに大変だし、それこそユリウスの迷惑になりそうだしな。椅子に座ったままのユリウスに視線を向けた。






『…遊びに来てもいい?』

「!…好きにしろ」






ユリウスは顔を赤くしながら、また作業に戻った。落ち着いたら、ユリウスにお菓子を作ろう。コーヒーに合うようなお菓子。ユリウスに抱きつきたい衝動を抑えながらエースを見る。エースはにっこりと笑っていた。






「なら、早速行こうか」

『え…』

「え…って、城に決まってるだろ?」

『待って!もしかしてエースが?』

「ん?連れて行くぜ。俺は騎士だし、城に帰らなきゃそろそろ女王陛下がお怒りになるしなっ」

『………』

「あれ?おーい。……どうしたんだろうな」

「お前が原因だと思うぞ」






エースと一緒に帰るだなんて…もう悪夢としか言い様がない。










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