『どうしよ…応接室まで来たはいいけど………。どう渡していいか分からない』
わたしの目の前には応接室のドア。入れば雲雀さんはいる。もちろん、わたしの手の中の物は雲雀さんに渡す為の物。
『なんて言えば………。』
「何してるの?」
『ひ!!ひひひひひひ雲雀さん!?』
「応接室に用?」
『へ!?いや……その、ですね…』
「………名前」
『はいっ』
「それ、没収だよ」
『へ?……あ、』
「貸して。名前がこんなことするなんてね」
『いや、あの……これはっ』
「チョコでしょ。今日はバレンタインらしいからね」
『そうなんですけど……(雲雀さんのなんです)』
「で?」
『なんですか?』
「誰に渡すつもりだったの。答え次第では、咬み殺すよ」
『か、咬み………!?』
「早く言ってよ」
『……………雲雀、さんのです』
「なに?」
『っ…雲雀さんのなんです!!』
「……………」
『(言った!言ってやった!)』
「………なるほどね」
『雲雀さん?』
「一応受け取っておくよ」
『ほ、本当ですか!?』
「でも、僕はチョコより…」
『?』
「名前がいい」
『………!!ちょっ、へっ!?』
「ほら、行くよ」
『どこにですかああああああっ!?』
可愛がられるバレンタイン