『綱！』
「なに？」
『いつにも増して素晴らしいオーラですね』
「俺、今不機嫌なんだ」
『なんで？リボーンさんにまたやられたとか？』
「違うよ。まぁ、原因は名前だね」
『なんで！？ていうか、そしたらわたし来ちゃいけなかったんじゃ…』
「そうだね。でも、名前の用事にもよるよ。で、用事は？」
『いや。あの……チョコを作ったんだけど………た、食べますか？』
「なんで敬語なんだよ」
『だって不機嫌だから…』
「誰のせいだと思ってんの。……まぁ、もうなおったけどね」
『今の出来事になおる要素が！？』
「………はぁ。これだから馬鹿は」
『ほっといて。はい、ハッピーバレンタイン！』
「ありがとう。お礼は………」
『え、くれるの？やったー！』
「……夜、ね」
『夜？』
「たっぷり愛してあげる」
『……っ！！いいですいいですお礼なんてっ！見返りを期待して作ったんじゃないですから……！！』
「じゃあ、何？」
『何って………』
「なんで俺に作ったのっていうこと」
『それ、は………』
「それは？」
『……つ、綱に……』
「…………」
『………想い、が伝わればな……って、わっ！？綱！？』
「部屋に行くよ」
『え、何その目。ちょっ！やだやだ下ろして今すぐにっ』
「ダメ。名前が悪い」
『身に覚えがないいいいいいっ！！』
チョコと一緒に溶けたバレンタイン