『…………さよなら』
「まてまてまて」
「先輩も見たから共犯ですよー」
『わたしは被害者でしょ』
朝起きて、スクアーロの部屋から光が漏れてたから任務から帰ったのかと思って覗いたら、スクアーロじゃなくベルとフランがいた。
「何してるの?」なーんて、聞く訳ないじゃないですか。手に持ってるシャンプーとローションで分かるわ。
「しし、日々の仕返し」
『スクがしたいだろうよ』
「ミーは暇なんでー」
『いやいやかなり本格的じゃない?』
なんて話してたらスクアーロが本当に帰って来た。「やべっ」と走り出したベルにフランは「ぁーあ」と人事にしてる。
わたしも片付けときなよー、って言いながらスクアーロがいるであろうリビングへ。
『スークさーん』
「…………」
『はれ?スクさーん?』
「…………」
『スクさーんスクアーロさーんスクアーロー』
いくら呼んでも返事がない。見渡して見れば何かが光った。何かと思えばスクアーロの髪で、なんと本人はソファーで爆睡。今回の任務は辛かったんだろーなーなんて思ってたらベルとフランがやって来た。
「スクアーロ隊長寝てるんですかー」
『爆睡だよ』
「ほんとだ、何やっても起きねぇし」
『あ、ちょっとコラ』
スクアーロの髪を引っ張るベル。え、ほんとに起きないよ。どんだけ疲れてんの。わたしたちが敵だったらスクアーロ死んでるよ。
ベルが引っ張るのを見てたらスクアーロが苦しみ始めた。
「んあ?」
『え、スクアーロだいじょう………っておいおいフランさん。あなたの指輪光ってませんか?』
「あり?ほんとですねー」
『スクアーロ………』
お気の毒に……。
フランの幻覚は気持ち悪いだろうに。わたしも何度かされたことあるけど、あれは本当に嫌だよね。たまーにいいことしてくれる。
フランの指輪も光を失って、スクアーロにも安静の顔が戻る。……汗ベタベタですけどね。
なんとなーく自分の部屋にも戻る気がしなくて、三人してソファーに座ったりくつろいだり。何分かした頃ベルが口を開いた。
「なんかつまんねー。名前、スクアーロになんかしろよ」
『いやだよ。わたしまだ死にたくないもん』
「しし、だーいじょうぶだって」
『いーや』
「ならミーが幻覚で…」
『やめてあげてお願いだから』
「なら他の案出せよ」
『他の案と言われましても……んー………。あ、髪の毛さ、おさげにしようよ』
「あ?マジかよ」
「でも見てみたいですねー」
そんなこんなで、ほんっとうに少しの出来心でスクアーロの髪をおさげにすることになった。
触る前にわたしは手を合わせて礼をしたけど、二人は何もしなかった。
『おさげとか、スクアーロ似合うのかな』
「うししっ、想像つかねーよな」
「なんか気持ち悪いですねー」
『だよねー。あ、ベル結い方違う』
「合ってんだろ」
「ベル先輩ダメですねー」
「あ?うるせぇよカエル。お前もできねーだろうが」
「ミーはできますよー。なんたって天才なんでー」
「本当の天才は俺のことを言うんだよバーカ」
『ケンカしてたらスクアーロが起きるよ』
三人それぞれにおさげを結って、ご丁寧にフランはリボンまで。うーわー、そんなスクアーロ見たくなーい。
「しし。名前ちょっと見てみろよ」
『んー?………ぶっ、ははは!何それ傑作』
「だろ?」
ベルは一部の髪の毛をチリチリウェーブにしていた。
最後の仕上げーとリボンを付けようとしたところ、わたしたちの耳に悪魔の囁きが届いた。
「……何してんだてめぇらはよぉ」
「げっ、起きた」
「名前先輩が笑うからですよー」
『え、わたしのせいなの?』
「何責任なすりつけてんだあ!連帯責任だあっ」
『ぎゃああああああ!スクが怒ったああああっ』
「ゲロッ」
「逃げろ」
「待てやクソガキどもがあああっ」
おさげにチリチリウェーブでリボンを付けたスクアーロに追われるのは本当に恐怖でした。
なんとか許してもらったけど……もう二度としません。
(スクアーロは怒りすぎなんだよ)
(ベル、きちんと反省しようね。ようやく許してもらえたんだから)
(そうですよー。スクアーロ隊長、今日はせっかく優しかったんですから)
(え、あれで優しいの?)
(しし、やっぱ名前が…、)
(ゔお゙ぉい!!)
(あ?なんだよスクアーロ)
(俺のシャンプーの中身…)
(…………あ)
(そういえば忘れてましたねー)
(逃げんなあ!!!)
(…………わー、もう見えなくなったよ)
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4500のキリ番でいただきました^^
ベルとフランとヒロインが
スクアーロにいたずらをする。
スクさんと来たら
髪の毛ですよねo(^-^)o
リクエストをくださったりく様、
ありがとうございました(^^)
4500キリ番