ずんずん進む帽子屋の後ろ3歩くらいをついて行くアリス。不思議な世界はなんとも不思議だと観察していた。
花は話しかけてくるし、虫や鳥たちもこそこそ話しをしている。まるで近所のおばさんみたいだと思ったアリスでした。
『雲雀さーん、あとどれくらいで着きますかー?』
「まだだよ」
結構歩いて疲れたアリス。そのせいでペースが遅くなる。迷うまいと一生懸命に追いつこうとするアリスを見た帽子屋は、ふっと笑った。
『ていうか、女王様って誰なんだろ』
今までのキャストがキャストだし。ちらりと帽子屋を見たアリス。………選役ミスってるし。はぁ、とため息をついてぼーっと帽子屋を見るアリス。何秒か見ていたら、それに気づいた帽子屋が振り返りました。
「なに?」
『え、いや………遠いなーって』
「何言ってるの、もう門の前に来てるよ」
『へ!?わ、うわああ』
アリスが見上げた先には大きな門がありました。
こんな大きい門、開けられるかなーなんて考えたアリスでしたが、摩訶不思議。一人でに門は開きました。
(わー、心配をあだで返す世界)
そしてまたずんずん進む帽子屋を、アリスは急いで追いかけました。
赤いバラの庭を過ぎて、変なトランプの兵士さんたちに連れられて、なんだかんだで女王様の部屋の前に着きました。
『雲雀さん、女王様見たことありますか?』
「さぁ。覚えてないね」
『……そうですか』
雲雀さんなら、会ってたとしても女王様とか興味ないんだろうな。
………強いのかな。女王様ってほんと誰なんだろ。
なんて思っていたら、ギィィイと部屋の扉が開きました。
開いた先に立っていたのは……
『?………っ!ハル!?』
「ふーん、これがね…」
「黙ってください!女王の前では私語を慎むこと!」
女王様の正体はまさかのハルでした。あながち間違ってないような違うような……。というかですね、ハルには捕われた一人になっててほしかったです。
「話は聞きました。ハルを倒しに来たみたいですね。……だけど、ハルはやられません!」
ゴォォオ!!と地鳴りが始まった。お城ごと揺れる中、帽子屋は素早くアリスを抱きかかえ上へと逃げる。
『なななな何があったんですか!?』
「変身だよ」
『え、もう!?展開早っ…!』
「ごたごた言わないで。……来るよ」
『!!!?』
影が見えた。すごく大きくて、爪がある。毛もふさふさしてて……………え、何あれ。
「ガオー、悪いごはいねぇがぁ」
『………な……ナマ、ハゲ』
「ワォ、女王ってバカなんだね」
お城に着いたや否や、女王様の本当の姿が現れた!さて、どうやって戦うのか!?次回、最終回!
『いやいや!なんであれなの!?』
中 END