『………なるほど。はあ』
「僕の顔見てため息つかないでよ」
チェシャ猫………というか骸が言ってくれと頼んだことは、言わない方がいいかもしれない。かもじゃない、絶対だ。というか、なんで言わせようとするかな。約束したけどこの際ムシしよ。
「何。何か用」
『いや、わたしが聞きたいです』
帽子屋こと雲雀さんのご登場です。…………帽子屋のくせに帽子はかぶらないんですね。近くに落ちてるし。
「まあ、座りなよ」
『は、い……』
カタン、と椅子に座る。優雅に紅茶を飲む雲雀さんを見て、わたしもなんとなくノリで入れてみた。
………おいしい。こっちに来て何も飲んでなかったから尚更だよ。というか、わたしはこの後何すればいいんだろ。
『あのー…』
「なに」
『いちお聞くんですけど……王様のところにはどうやって行けばいいんですか?』
「知らない」
『…………へ!?』
「知らないよ。僕には関係ない」
『いやいや………雲雀さんは重要な役でこざいますよ?』
「知らない」
『………』
叫びたくなるのを必死に堪えて、ごくん!と紅茶を飲みほす。選役ミスでしょコレ。誰ですかこんなことしたの。
本当に何していいか分からないじゃないか!このまま此処にいろってこと!?うあーっ!元の世界に戻りたいよおおお!なんで武はわたしを置いて行ったのさあ!
『わあああああああん!』
「煩いよ。なんで君が王様のとこ行かないといけないの」
『………そうゆう設定だからです』
「………王様に会いたいなら、まず女王を咬み殺す」
『か、かみ……?』
「まあ、そこまで強くないよ。どうするの?咬み殺すの?」
『か、かむ……は、無理ですね』
「ならあきらめなよ」
早いよ決断が。もっとあるでしょ別の方法が。咬むとしてもさー………。
『雲雀さんも来てくれたらいいんですよ!』
「なに」
『だって雲雀さん強いし、女王なんてちょちょいのちょいでしょ?何より心強いです!』
「……………」
『お願いします雲雀さん!!』
「……一緒に行ったら何かいいことあるの」
『?たぶん……』
「ふーん。………ならいいよ」
『ほ、ほんとですか!?』
「別に。女王を咬み殺すのは楽しそうだからね」
『別の楽しみを見つけましょうよ』
なんだかんだで、帽子屋こと雲雀恭弥は仲間になったのでした。