企画 | ナノ
『山崎さーん!』





どこに行ったんでしょうか。いつもバドミントンやってる場所にはいないし、近藤さんに聞いたら今日は任務ないらしいし……。部屋にもいなかった。





『山崎さーん』

「朝から煩いでさァ」

『あ、おはようございます沖田さん。山崎さん見てませんか?』

「山崎ならさっき見やしたぜィ。あいつも名前のこと探してやした」

『本当ですか?山崎さんが……。ちょっと行って来ます!』





沖田さんにお辞儀をして山崎さん探しを再開。そしたら案外すぐに見つかった。





『山崎さん!』

「名前ちゃん?」

『っはーはー。えっと、わたしのこと探してたって聞いたんですけど…』

「近藤さんから名前ちゃんが探してるって聞いて。俺に用事でしょ?何かあったの?」

『あ、わざわざすみません。用事ってこれなんですけど…』

「?………」

『今日、バレンタインなんで。ち、チョコです』

「!!……俺に?」

『はい!あ、甘いもの苦手でした?』

「全然!嬉しいよ。ありがとう」





ふわっと照れたように笑った山崎さんにまた心を奪われた。





『それと……』

「どうしたの?」

『ほ、本命ですから…!』

「えっ!?」

『おいしくなかったらごめんなさい。でも山崎さんのこと、大好きです!』

「……………」





恥ずかしくて顔が上げられない。そのまま動けずにいたら、急に山崎さんからのハグ。わたしはびっくりして、赤かった顔がもっと赤くなった。





『やややややややや山崎さん!!?』

「名前ちゃん…」

『は、はい…』

「俺…………。俺名前ちゃんのこと好きだよ」

『……ほ、本当に…?』

「もちろん。だから、すっごく嬉しい」

『……山崎さん』





ゆっくり背中に手を回して、山崎さんに抱きついた。今日、告白してよかった。

それから二人して顔真っ赤にして、お互いそれを見て笑い合った。今までは片想いで過ごすバレンタイン。これからは、










恋人として過ごすバレンタイン