ゲスキュアネタ







世界という物は決して一つだけではなく人の視点によっては美しい世界であったり絶望と混沌の世界だったり要は人の価値観で物事がきまる。
自分だけの世界それはなんともまぁ魅力的なもので、 誰だってほしがるだろう。 毎日淡々と生きていく世界などあまりにもつまらなくてある意味死を体感できる。
生きながらの死それはもしかしたら退屈なのかもしれない、 ご飯を食べ、 仕事にいき帰ってきて風呂にはいって寝てまた明日には起きて仕事にいきの毎日。
同じ繰り返し、 同じ作業をしているとどうしても退屈が頭をよぎるのだ。 人間刺激がなければ面白くない人間とは刺激を求める人間なのだ。
独りの人間はそれは強欲だと言うだろうお前は幸せものじゃないかとだがそれは人の価値観でのことでそんな作業を繰り返し生きている人間にとっては刺激が足りないのだ。
それに人間って強欲な物だろう? 刺激を求め続ける人間なのだろうね、 だから僕も求めるしそれは僕だけじゃないかもしれない。
幸せと感じるがそれは失って初めて気づくアホなやつもいるだろうそして僕はどっちかというとそういう人種の人間ではなく幸せだと思いつつだが刺激を欲するそこらへんにいる人間なのだ。

ホラーDVDを見たり、 わざわざジェットコースターに乗るという行為が好きなのはただ単に刺激が欲しいだけなのかもしれない。
自分が体験するよりも他人が恐怖や絶望におののくさまを見るのは特に楽しい。 そういう変な性癖があるのはこの際無視していこうと思う。 
人間そうそう人格を変えられるはずなんてないのだから、 いくら変えたいといっても結局は他人にひっぱってもらわなければ変えられない。 人とはそういう生き物
まぁそんな現実逃避みたいな思考が脳裏をよぎるが現実はそうそう変化などしてくれるはずもなく。

「ふえええええん」

このどうしようもない絶望感は久しぶりだと落胆しつつ茫然と目の前の生物をみた。 段ボール箱に入ってはいるが体が大きすぎるため顔が飛び出ている。 ってかぴちぴちで今にも箱が飛び出そうだ。
アルパカの毛というのは高級な毛皮になるらしくこれいくらで売れるのかなと鷹野唯みたいな思考が巡る。 ふわふらの毛で覆われ顔はなぜかムカつくほど美形だ。 思わず殴りたくなるほどの複雑な顔をしており
そして見上げていた視線を下げるとさらに顔が一つあった。 茶色の髪の毛に^p^という現代でいう顔文字と言うのだろう。 そんな顔をしたふざけたお面の様な顔があったのだ。
おかしいな知り合いの顔にすごく似ているのは気のせいかな? と顎に手をあてて考えるがどうしてこうなったのかまったく見当もつかない。
時々聞こえるのは鼻声の様な喉を鳴らしているかのような鳴き声、 とてもかわいらしいとは言えないしろもろだった。
そしてその首にかけられた紙を引き千切り読んでみる。

『トウマアルパカ、 略してトウパカです。 可愛がってね?』

ふざけているのかとなぐりたくなる衝動を抑えアルパカなのだろう物体をみた。 姿かたちは似ているが顔が2つある時点でもうアルパカではないことは明白だ、 これをアルパカだと言う人間がいるのならばいっそみてみたいものだね。 知り合いの顔ににている方のほっぺをつねると「ふえっふえええええっ」と何か泣きそうな悲鳴いや、 雄たけびが聞こえた。 とても近所迷惑である。
耳栓をして泣き声が止むのをまつがいかん声が大きい近くにいるおばちゃんがぱたり、 ぱたりと次々と倒れていくさまが見える。 僕も耳栓をしてなければ倒れていたのだろう、 普段うるさい夜美専用にともってきたかいがあったなぁと思う。 さてどうしようかこのサイレンみたいな雄たけびをあげるトウマアルパカ、 略してトウパカをどうやって処理しようか。
別に放置という手段もあるのだがそうすると動物に好かれやすい兄さんが放置されるはずがない、 絶対こいつを連れて帰る。 海に投げ捨てるかオークションに売り飛ばすか……それか肉にして兄さんにくわせるか。
ポケットに手をつっこむとぎしりと重い感触がしてあぁそういえばさっき夜美から奪ったナイフを拝借したんだと思い出した。


「……殺すか「やめてえええええ!!!」」

「なんてこと言うのよ! この野蛮人! 人間と思えないわ、 なんたる非道傲慢!! このプリティートウパカ唯一の女子トゥ子になんていう冷たい反応!
愛玩動物としてNO.1の実力をもつこのトゥ子にナイフで殺そうだなんてとんだヤンデレ、 いやヤンデルやつね!!」

ぷんぷんと両方の顔から人語を発する動物(多分一種の人面剣のような物)をみて唖然としていると。
トウパカ、 いやトゥ子がこちらをみた。

「まぁいいわっ 見られてしまったものは仕方ない!」

と何かポーズを決めてごそごそと着替え始めているのだが僕は一体どうしたらいいのか刈り取ればいいのか毛を刈り取れば万事解決? とか思ったら黙ってみていなさい! と怒られたので
仕方なしに待ってやることにした。 

「ふー! これで準備完了よ「アルパカの原型留めれてないじゃないか」ぎゃあああああああっ」

着替えた際につけたのだろう背中にへばりつている天使の羽を引き千切ったらトゥ子の口から悲鳴があがる。
羽をみると値札がついておりよくよくみると●イソーの品物とわかる。 お前どうせならもっとちゃんとやりなよ、 と思うくらいにはめちゃくちゃお粗末なできだった。
100均風情の天使の羽くらいでダメージは与えられないのだろうすくっと彼女は復活した。

「ひどいわっ乙女の体をなんだと思っているの!」

「女というより雌だろうね」

「まぁっひどい! 訴えてやる」

「動物が人様と同じ土台に立てるとでも思っているの?「動物虐待だわ!!」そもそも動物なの君?」

「この姿をみてアルパカじゃないならばなんだと言うのよ!」
そんな力説で訴えられても困るものは困る、 人語を話す顔が2つあるアルパカなんてもはや怪異いや化け物もしかしたらUMA、宇宙人だというやつもいるだろう。
僕の考えでは突然変異した生物だと思うんだがこの際どうでもいい。 どうしてここにいるのか、 いやむしろ何故僕はこいつと話をしているのか下手したら動物と会話しているいたい学生としてうわさされるだろう。
ならばまだ『ブラコンすぎて気持ち悪いオズベルト君』と言われた方がまだましだ。
そうそうに回れ右しようとするが目の前にはトゥ子が待ち構えていた。

「逃がさないわよ話きくまではにがしゃしないんだから!!」

ふえふえと鳴き声が聞こえてくる。 時刻は夕方の5時くらい、 このまま逃げても追いかけてくるのだろう思うととてもめんどくさい。
夜美は反応が面白いから逃げているだけでこうもどうでもいいやつから追いかけられるのは御免こうむる。
ならばそうそうに話を聞いてそうそうに帰るのが一番得策だ。 

「……いいよ話だけきいてあげる」


****


オズに番組録画を頼んだはいいが安心できない、 ふざけて同時刻に入る別の番組をとるなんて悪戯すでに理解済みだった。 補習で帰る時間がかかったのはオレの普段の行いの悪さだと自負していた。
まぁ毎回授業中寝てるのは悪いとは思っていた、 だけど起こしてくれたっていいと思う。 そしたらまぁなんとか授業はみるし(寝ていた時は別人格がいろいろやらかしてました)
教科書を鞄につめ学校の校舎を出てそうそう異形な光景を目のあたりにして思わず鞄がずり落ちた。

そう一言で表すならば『2つの顔をもったアルパカといい年こいてフリルのスカートとってかゴスロリいや魔法少女に近い似合わないツインテールをしている自分の弟がなんかまっくろい影と戦っている』だ。
しかも自分の弟それはすごく恥ずかしい、 お前いくつだ高校3年生だろうが! いい加減にしろ、 自分は恥ずかしくないが家族が迷惑かけるということをなぜわからない。
頭をかかえできるだけ目の前の光景をみないようにする、 このさい夜美でもいいから助けてくれまだ自分の弟がクラスメイトに殺されかかってケラケラと笑って逃げる自分の弟を見ている方が何分心臓に負担をかけない。 これはいかん自分とオズは双子だなんか自分が女装している気分で直吐き気がする。
やばいはきそう。

「あ、 兄さん」

オレの存在に気がついたのか弟がにへらっと笑顔を向けて手をふってくる。 やめろどんな嫌がらせだ、 こっちくんな赤の他人にさせてくれ。
そんなオレの願いを知ってか知らずかニヤリと笑い、 お得意の笑い声が返ってくる。

「女装趣味とかじゃないから安心してよ「してたらオレが困るわ」」

「なんかね、 マイクサーンっていう地球外生命体が恭真という人間をお嫁さんにしたいみたいで」

「なんかすごい展開だな!」

「いや、 お婿さんにしたいんだったか地球人と宇宙人の結婚はなんかあっちの星では無理らしくてならば地球を乗っ取って地球を宇宙人の配下にすれば
恭真と結婚できるんじゃないかタダイマ絶賛地球戦略にいそしんでるんだって」

「怖いわ!! 勝手に結婚しろよ」

「それで恭真という男性はそれがすごくいやみたいでどうしようもないから魔法少女と言う組織をつくったらしい「組織つくる人間とか怖いわ!」
女は腐るほどいるから平気とのことで」

「最低だ!」

「全国で1万2000人の魔法少女が日々侵略者から地球を守っているらしい「魔法少女多いだろ!」それで僕もその一人に選ばれたんだってー」

「お前男! 少女じゃねぇだろ!!」

なんだこの突込み所の多い話はむしろドッキリでしたといって欲しい。 だがよくわからない真っ黒な影が襲い掛かっている光景をみるとどうやら本当の話らしい。
末期だ結婚したいからって地球侵略とか愛が重たすぎる、 なんだよ今どきの恋愛ってこうも殺伐として重たいのか。

「いやぶっちゃけ1万もいるから誰でもよかったんだって、 本当は夜美を魔法少女にする予定だったんだけど僕が先に出会ってしまったから
仕方なく魔法少女にして……もらいました?」

「断れよ! まだ夜美の方がかわいいだろ!」

「ふと考えたんだよ、 兄さんが一番嫌がることって何かなーって」

「お前まさかっ」

額から汗がこぼれおち、 目の前の弟の目が見開きエメラルドの宝石の方な瞳がオレを映す。

「自分と同じ顔が女装している姿って嫌だろうなーって「とんだ嫌がらせだな! お前に羞恥心とかないのか!!!」

あははは兄さん関係ならばないよ!」

そんなすっぱり言われても困まるものは困る。 なんだこの執念、 気持ち悪っ。 オレの弟気持ち悪すぎるっそういえばあだ名が『ブラコンすぎて気持ち悪いオズベルト君』だったか
ありがち間違いではない、 こいついつブラコン卒業するんだよ。 ってか対象オレじゃねぇかふざけんな!
兄さんと呼ばれて上を見上げるとなんか高級そうな服を手渡された。

テッテテーン
 ▼ジャックは魔法少女の服を手に入れた

「やめろ!! オレを巻き込むな」

「さぁこれで下種キュアホワイトとブラックが誕生よ!」

「うわっ何このアルパカ気持ち悪っ!」

「恨むんなら恭真という人でも恨めばぁ?」


あはははははと弟の笑い声が耳にはいり思わず絶境みたいな悲鳴が校内に響いた。
どうなったかは誰もしらない。
ただ数日ジャックが殺気めいて死ぬかとおもったとN氏(個人情報の為名前を伏せています)が語たったそうです。
もしかしたらトゥ子があなたにこうささやくかもしれません。

「私と契約して魔法少女になってよ」

あぁそれは違うお話でしたねと誰かがくすくすと笑うのだった。