なにこの状況なにコレわたし死ぬの?やばいんじゃないかな、これはやばいと思うんだけど。どうしよう、てかどうしようとかいう問題じゃないよね。なんで?わたし頑張ってたよ、毎晩遅くまでちゃんと漫画読みながらだけどやってたし、朝だって電車の中で授業まともに受けてないからほぼ白紙だけどプリント暗記しようとしてたし、神楽にだって酢昆布の食べ方がテストに出るって言われたから必死に酢昆布たべてたのに。ほんとは好んで食べてたけど。 それなのに、それなのに… 「何この点数」 わたしの前には赤色の文字だらけの答案用紙が9枚分、合計点なんてそんなもの見ればすぐに暗算で出来るくらいですよ。やばいですよ。もちろんすべて赤点っていうおぞましいもの。あれ、追試何回までだったっけ、銀八がこのあいだ深刻そうに言っていた気がするんだけど、今回赤点とったらまじやばいって。え、なんでだろう目が霞んで気がするんだけど、この液体生暖かいんだけど。もしかして留年?退学?どっちにしてもあの銀髪馬鹿に会えなくなってしまうじゃないか。どうしてくれるんだ!いやまあ自分のせいだなんてわかってるけど、いやでもこれは非常事態ですよ! ヤバイ→イス→スリ→留年んんんんんん!!なんていう意味の分からないしりとりにのたうち回っていたら教室の扉が突然ひらいた。あ、そういえばショックが大きすぎて皆が帰ってたことに気付いていなかった。 「おー、まだいたのか。もうそろそろ帰れー」 「銀八ィィィ!どうしよう!わたし留年するのかな!するんだよね!するのかあああ!!!」 「ちょ、何!?落ち着けって!」 いきなり叫びながらしがみついてきたわたしを銀八が引きはがした。これで落ち着いていられるわけがない。わたしの人生がかかってるんだ。そう、銀八と一緒にいられるか、それがわたしの死活問題なう。もし銀八が来年、留年したわたしの学年の担任になればノープロブレム、留年よどんと来い。でももしそうでなければ、学校に来る意味がもはやない。何のためにこの学校に来たと思っているんだ、いや実際ほとんど受験勉強なんてしてないけどさ。入ってから銀八に会ったけどさ。 なんかやばい、そう考えてたら余計にヒートアップしてきた。ぐあああ!もう糞くらえ! 「留年とかいきなり何言い出すんだよ」 「だってこの前銀八言ってたじゃん!今回赤点とったらやばいって!」 「あー…、言ってたような言ってないような…」 「言ってたからね、ああもう留年するくらいなら退学してやる!てゆかかその前に色々言わせて!わたし銀八がいないなんて嫌だよ!会えなくなるなんてありえない!どうしよう!」 「……」 気付いたときには既に時遅し。呆気にとられた銀八が突っ立ているだけ。ああえっと…、テストの魔力だ、違うんだわたしは操られて洗脳されていただけなんだ。そう色々と間違っている、いろいろと。 「あー…、あれ先生の冗談」 「はあああ!?」 世界が崩壊してくのがミエマスね。どっちにしろ学校にいられなくなってしまいました。過去よ戻れそしてさよなら未来、さよなら学校さよなら青春。 「バイバイ銀八…」 「あ、そうだ」 教室から出て行こうとしたわたしを銀八が呼び止めた。なんだよなんだよ糞野郎、天パめ糖尿病で死ねばいい。 「やばいのは次のテストな」 「もうわたしには関係ないから」 じゃあ、と笑って教室を出ようとしたわたしは涙を堪えた。ちくしょうちくしょう。テストなんて大嫌いだ! 「もしよ、赤点とんなかったら先生その返事考えてやってもいいぞー」 「…それ先に言ってよばかっ!」 ち、ちくしょう やる気ないような顔して頬を赤らめるなんて反則だ。頑張るに決まってるじゃないですか。 テストが嫌いなんて嘘です大好きです。むしろあなたが大好きです。 大嫌いなテスト でもやっぱりテストは嫌いです 090524 title by Aコース様 |