風鈴
聞こえるか・・・・










 聞こえないのなら聞こえるまで・・・・










  ずっと叫び続けよう・・・














 「弦一郎・・・。最近何かあったのか?」







 「ん・・・蓮二か・・・。いや、別に何でもない。」






  
 「いや、何かあるだろう。弦一郎らしくないからな・・・。」






 「柳君の言うとおりです。何かあったのでしょう?」







  話しかけてきたのは






  いつもと違うらしい俺を心配した







  蓮二と柳生だ。








  「別に、何でもない。気にするな。」








   そう、二人に告げると再び練習に戻った。









  「真田君。どうしたのでしょうね。」






  「まぁ、これから分かる事だろうな・・・。」










  

  「皆今から10分間休憩だ!」









  「ふぅっー。やっと、休憩っすか!」




  
 
  「そうじゃのぉ。・・・のう、柳生ー。」




  
  「はい、ドリンクですね。」



 



  「ありがとさん。」









  「あああぁあっ!!ジャッカルッッッ!!!」









  「な、何だよ!ブン太!!」








  「そこにある、タオルとってくれぃ☆」







   「は?・・・タオルだけでそんなに叫ぶなって;;」







 
  「まーまー。お、さんきゅー」









  いつものように時間が過ぎていく









  いつのまにか休息時間も終わりまた練習を始める








  
  練習もあっという間に終わり部室で着替えを始める部員達







  
  「なぁ、ジャッカルッ!明日さぁ、近所で祭りがあるだろぃ?」








  「あぁ、あの祭りか・・・。それがどうした?」








   「行こうぜぃ!!・・・仁王も赤也も行きたいだろぃ!!」






   「祭りかぁ〜いいのぉ・・・。のぅ、柳生行かないかのぉ?」







   「お祭りですか。良いですねぇ・・・。行きましょうか。」







   「俺も行きたいッスッ!!!」






   
   「フム・・・。秋祭りか・・・。たまには良いかもな・・・。俺もついていくとしよう。」







   「お、蓮二も行くのか?珍しいなぁ。」



 
   普段はあまり祭りとかには行こうとしない蓮二が行くと少し驚いたように答える丸井





   皆でワイワイ明日の祭りについて話し始める。








   「秋祭り・・・か。」








   「弦一郎。お前は行かないのか・・?」





   ボソリと口にした瞬間蓮二に話しかけられた、それに驚き口がうまくまわらなかった








   「おっおお、俺はいい、行かん!!!」




  


   「・・・。弦一郎。何故そんなに驚いているんだ??」








   「べ、別に・・・。・・・俺は先に帰る・・・最後のヤツは鍵をきちんと閉めろ・・。」








   バタンと部室の戸を閉めて校門に向かって歩いて行った








  
   空は綺麗なオレンジ色をしていた







   
   校門付近に近づくと黒い影があるのが見えた









   「・・・??」








   その影に少しづつ近づいていく









   すると、その影は俺に気づいたのかこっちをむいた








   「あ、・・・さ、真田先輩っ!」









   そう、その影の正体は最近俺を悩ませる原因を作っている張本人。






   そして、俺の想い人・・・遠也だった。








   「遠也か・・・。何故こんな所にいる?」








   「・・・。真田先輩に少しお尋ねしたい事がありまして・・・。」







   「俺に・・?・・・まぁ、良い。歩きながら聞こう」








   「は、はい。・・・あの、無理にではないのですが・・・明日。学校の近所のお祭りがあるのは知って・・・ますか?」






   「あぁ、あの秋祭りだな・・?それで?」








   「それで、その・・・もし・・・用事とか無ければ・・・一緒にその・・・」








   「俺と一緒に行きたい・・・と?」







   「は、はい・・・。あ、でも・・・無理にじゃないんです・・・。」








   「別にかまわん。」





 

   「え?・・・」






   「別にかまわないと言っている。」







  

   「・・・。あ、ありがとうございます!・・・鳥居の前に7時で良いでしょうか?」








   「あぁ・・・。遠也・・・。お前は何を着ていくんだ?」








   「・・・私ですか??・・・真田先輩がイヤでなければ、浴衣で・・・少し涼しいかもしれませんが・・・。」







   「そうか・・・。ならば、俺もそれに合わせよう。」








   「真田先輩の浴衣姿初めてみますvv・・・家、此処なんで、失礼します。さようなら。」









   「あぁ。ではな・・。」









   顔には出してはいないがかなり驚いた









   遠也の家と俺の家は隣同士だったのだ








   何故、いままで気づかなかったのか不思議なくらい・・・










 


  ―――――――――――――・・・




 
  よく眠れて昨日の疲れも綺麗に取れた







 
  宿題をさささっっと宿題をすませて居合いの稽古をする









 あっという間に時間がすぎ約束の時間に近づいてきた










  「そろそろ、時間か・・・。」










  約束の時間より5分早くきたせいか、まだ雑賀は居なかった










  「さ、真田せんぱーいっっ!!」








  
  聞き覚えのある声・・・遠也がスタスタと走ってこちらに走ってくるのが見えた








  綺麗な黄緑色の浴衣をきているのがわかった










   「真田せんぱーいっ!!・・・」







   
   「そんなに走らなくて良い!転がるz・・・・」








   「・・・わぁっ・・・キャァッ・・・」







   案の定転がっていた石に躓いた






   ガシッ






   近距離だったため直ぐさま走って遠也を支えた






    「・・・んんっ・・・。・・・あぁ、す、すいませんっ」







    「だから、言ったのだ・・・。走るな・・・と。」









    「本当にすいません・・・。しかも、待たせてしまって・・・。」









    「別にかまわん。・・・遠也・・・。」









    「は、はい?」








  
    「・・・。その浴衣・・・。似合っている。」









   「・・・!!!ぇ・・あ、ありがとう、ございますっ。・・・さ、真田先輩も良くお似合いですv」









   「そうか、ありがとう。・・・見て回るか?」









   「はい。」






   お互いに着ている浴衣を褒めあいながら屋台が並んでいるほうへ歩き出した







   あまりにも人が多すぎる。









  「人が多いですね・・・。」







  遠也も思っていたようで、遠也の口から人が多いと出た。







 
  「そうだな。・・・」






  「はぐれたら、大変ですね・・・;;」








  当然だ・・。はぐれたらどれだけ大変か・・・。






  はぐれないようにするにはあの手段しかない・・・・





  
  遠也と手を繋ぐ・・・・・・








   こんなところで恥ずかしがっていては始まらない。







   パシッ







  「ぇ・・・?」








  遠也の手をギュッっと掴んだ









   「はぐれたら大変なのだろう?」









   「・・・///フフッ」










   にこっり笑う遠也の顔みて自分もいつかぶりの笑顔で返す










  
   「わぁ、すっごく綺麗な風鈴ですねvv」









   「少し季節はずれだが・・・確かに綺麗だな。・・・遠也。」







   「はい?・・・なんでしょう?」








   「これが欲しいのか??」






   遠也がさしていてのは花火が描かれている綺麗な風鈴だった






  
   「え?・・・あ、はい・・・でも少し高いですよ・・・n」









   「すいません。これ一つ下さい。」







  
   「え、ちょっ・・・別に良いですよ!!悪いですっ!!」








   「俺がしたいんだけだ・・・。・・・ほら、風鈴。」






 
 
   「本当にすいません・・・。わはぁvv綺麗・・・ですねぇ。音色も綺麗です。」







   「良かったな・・・。そういえばこの祭りには、花火があったな・・・。」








   「はい。でも・・・此処の花火・・・見やすい場所にすぐ人がいてよく見えないんです;;」








   「だったら、良いところを教えてやろう。静かでよく見える場所だ・・・。」








   「え?そ、そんなところがあるんですか?!」







   「あぁ、来るときはいつもそこでみている。」









   「本当に静かですね・・・。」








   ひゅ〜〜〜〜〜ん









   ドーン ドーン





   ピュロロロロー






  ドーン!!!









   「キャァッ・・・」





    ぎゅっ



   花火の音に驚いた遠也が驚いて俺に抱きついてきた








   「・・・っさ、遠也!??!」




   




   「あ、すす、すいませんっ///い、今はなれ・・・ぇ?」









   「別に離れなくて良い。・・・このままで良い。・・・。」









   「さ、真田先輩・・・。」






  

   「・・・。遠也・・・!」







  
   「ぇっ、あ、はいっ!」





   

    聞こえるか・・・・





    「はっきり、言おう・・・。俺は、お前が好きだ。」






    「ぇ?」







     聞こえないのなら聞こえるまで・・・・










     ずっと叫び続けよう・・・





   「俺は、遠也。お前が好きだ。」




   
   


    本当に静かで綺麗に見える花火の穴場の穴場




   それまでの事






   そのあとの事







  ずっとあの風鈴の元で二人で居ようと誓った・・・









  風が俺と遠也の間を吹いていった。


    




――――――――――――――――――――――――――
   オマケ?





   「あそこにいるにはやはり、真田君でしょうか?}





   「やっぱりだぜぃ。・・・んんっ・・・?」





   「ほぉっー。女の子を連れてるのぉ・・・。」




   「あれぇっ!!あれって、遠也・・・っっ!!!」




  
   「遠也さん?・・・切原君のクラスの子ですよね?」





  
    「なんで、遠也が・・・副部長と・・・!!!」







   「ふっ・・・これで、今までと様子が違う理由がはっきりしたな。」







   「どーゆー事ッスか??」







    「残念だったな、赤也。真田の勝率は99%だった。」








    「ちょ、マジっすか???・・・真田副部長に負けるなんて・・・。」


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