夢か現実か...
2月14日・・・今日は何の日・・・






 誰もが知ってるはずだ、そう











 


 バレンタイン












 女子が好きな男子にチョコレートをわたす日。



 
 
 最近は友チョコだのなんだのあるらしいが







 そのチョコに何を込めるかは人それぞれだがな・・・・
























 「ねぇー日吉ぃー。今日さ、裏門から入った方が良いよね・・・?」










  そう話しかけてきたのは同じクラスの鳳だ。




  2月14日が誕生日である鳳だが…テニス部に入ってる鳳そして俺も。



  2月14日は戦争だ…兎に角戦争だ。



  本当に好きなやつから貰えるチョコは嬉しいかもしれないが他のは…。




  戦争って思ってる理由…それは駆けつける女子の数がはんぱじゃないって事だ…!!






  だからそれを少しでも防ぐ(?)ために裏門からというわけだ。





 「あぁ。そうするか…。」





  





  鳳と二人で裏門から入ることにした。














  「うおっ?!…な、何だよあのトラック!あ、…跡部のか!」







  「ホンマ、凄いわぁ……1,2,3台?!」





  


  目の前を通った3台のトラックを話題にしていたのは…





 「ようっ!鳳!日吉ッ!」



 朝からぴょんぴょん跳ねてて五月蠅いほど元気なのは向日さん





 「おはよう。(ニッ)日吉、鳳」




朝から不適なスマイルなのは忍足さん






 「おはようございm…・・!!!し、宍戸さんっ!?」






  「おはようございます。忍足さん、向日さん。」




 鳳の目の先にいたのは紙袋を両手に3つずつ持ってきた宍戸さんだった。…6袋…(下剋上だっ!)








 「よっ、よう!…っち…失敗したぜ、裏門から入るんだったぜ;;」




 「本当だぜっ!・・・にしても、すげぇーな!!」




  ハハハッっと笑って「おぅ、なんかな;」という宍戸さんの紙袋を覗く向日さん





 
  「んっ…んぁ…。あわわぁぁわぁわぁっ!!!」






   ぱしっ!





 「芥川さん…木の上は…危ない…です。」




 「ナイスキャッチ樺地!!」




 「ったく…朝っぱらから寝てんのかよ。樺地がいなかったら危なかったぜ…」





 木の上で寝ていたのはジローさんそれを見事キャッチしたのは同じクラスの樺地。



 ジローさんに呆れているのは俺たちテニス部部長の跡部さんだ…












 ったく。何でうちの部活は朝からこうも五月蠅いんだ!!


  


 
 




 朝練は筋トレだけで終わって鳳と二人で教室へ向かった。



 「キャァー!鳳くんっ♪私のチョコ貰ってー!」



 「私のもー!」



 「私のは誰のチョコにも負けないわっ!!」





  いつも以上に五月蠅い女子…。って、鳳だけにか…。





 「あ、ありがとう…」





 ハハハッっと笑ってチョコを受け取る鳳。








 「いっぱい貰っちゃった…。」





 教室へ戻ってチョコをどうしようか迷ってる鳳







 「あっ!日吉くんっおはようっ♪」




 俺を見つけるなりニコッと笑って挨拶する…俺が気になってしょうがない遠也





 「お、おはよう。」











 遠也と少し話して黒板を見た…







 そういえば、今日日直。








 あと、委員会。













   時間は過ぎて放課後。






 
 俺は一人残って日誌を書いていた









 「今日は何かと疲れたな…。部活は行けないと跡部さんに言っておいたし。」







 日直と委員会がかぶれば確実に部活なんてでられない…。






 「3時…か。…委員会は50分からだったな…。」









 日誌を書いてる途中に睡魔に襲われそのまま夢の中へ…










 




 それからどれだけ時間がたったか












  「んっ…んんっ…。…?誰のブレザーだ……。…ッ遠也!?」







  「あっ!日吉くんっ。おはよっ。」




  またきたっ!・・・この笑顔ッ!俺はこの遠也の笑顔が好きなんだ








 「…。俺、寝てたんだな…。」






 「うん。そうみたいだね。…あっ、委員会日吉くんの分やっておいたよv」






  な、何っ!?





  「何ッ?!…今、何時だっ?!」





 「えっ?…5時だけど…。」





 
 
 まて、俺そんなに寝てのか・・・?!


 しかも仕事を遠也に…なんて馬鹿なんだ俺は・・・





 「すまない…遠也。」





 「うぅん。良いよ。だって日吉くん気持ちよさそうに寝てたから起こすのが可愛そうだったから…。」





 


 




     顔が熱い…







     絶対赤い…






  遠也は窓の外を見ていた。







  「ホワイトバレンタインだね。」






  遠也からでたバレンタインの言葉に少し反応した…





 「ホワイト・・?・・・雪か?」







 
  「うん。雪が舞ってる。…そうそう、日吉くんはさ…」











  「何だ?」










  「日吉くんは、チョコ貰った?」







  ドキン






  「いや、貰ってない。」




 
  そういえば、今年一個も貰ってない事に気づいた…






 「えっ!?…日吉くん貰ってないの…?日吉くんいっぱい貰ってるんじゃないかって…あっ…










 「よければ、私から…これ。」







 綺麗にラッピングされた包みをピッと俺に差し出した。









 遠也が俺に・・・?







「…?!ぉ、俺に?…良いのか?他に渡すとかじゃないのか?」








何言ってるんだ俺は…








 「いないよ…。だって…日吉くんにあげるために作ったから。」







 

 
 「?…どうした?」










 「日吉くんにってつくったから!」









 俺に・・・・?









 遠也が俺のために・・・チョコを?





 俺のために・・・・夢・・・か?










 「俺…に。ありがとう。…食べても良いか?」






 「うん。…いいよ。…ぁ、でも味…」







 パクッ









 にっ…にがいっ






 ビターチョコ・・・遠也だから味って…





 




 「日吉く・・・・・!!」





 






 チュッ










 「にがいんだよ、…俺にビターチョコをくれた罰だぜ。…味分かっただろ?」






 「…。日吉くんっ///」




 
 赤くなってる遠也を強く抱きしめた。




 本当に夢…夢…なのか?





 


 遠也と二人きりの時間





 現実なのか夢なのか・・・




 遠也からのビターチョコで夢は現実へと甘く溶けていった・・・





 現実であって夢でもあった・・・遠也の笑顔は俺のものにできたから・・・



prev next

bkm
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -