青春トランスフォームの続き




外は微妙な雲色で降水確率は30%
ここでまだ降っていないから大丈夫とそのまま家を出るか念のためと傘を持って出掛けるかによって一日が左右される。


家を出て暫くすると、30%どころでは済まないくらいの土砂降りになった。周りでは慌ててコンビニに傘を買いに走ったり、予め用意していた折り畳み傘を取り出したりと忙しない。


まぁ俺はといえばそんな当たるか外れるか分からない予報ではなくて確実な情報を持って生きているからね。



教室の外にまで聞こえる女子達の盛り上がる声に、彼の今の状態を把握した。



「平和島君ってば超肌綺麗!」

「いいなぁっ、睫毛も長いし!」


まぁ大方シズちゃんの事だから残りの70%に賭けて傘持って来なかったんだろうね。濡れれば女子になるだなんて漫画みたいな体質の癖にそういう所は本当に無頓着だなぁ。

騒ぎの真ん中で不貞腐れながらも女子にはキレらんないからか成すがままなシズちゃんは、いつもより一回り小さく、恐らく濡れてしまって着るものがなかったのだろうか、ドタチンのジャージを……………え?


「ちょっ!ちょっと待ってよ!!何でシズちゃんがドタチンのジャージ着てるんだよ!!」

「……あぁ?何だ来たのかノミ蟲、そのまま帰れ」

「今はその暴言にも目を瞑ってあげるよ。何でシズちゃんはドタチンのジャージを着てるの!」


「…………んなの、門田に借りたからに決まってんだろ」


「何それ。何そのちょっと照れ臭そうなリアクション!別にシズちゃんがやっても可愛くないんだからね?!大体何その彼氏のジャージを借りてるみたいなだぶだぶ感は!っていうかつまりシズちゃんはその下はノーブ「よっぽど死にてぇみたいだな」やだなぁ冗談に決まってんじゃん」



ドタチンが可哀想なものを見るような目というか憐れんだ視線を俺に向ける。いや別にドタチン狡いなんて微塵も思ってないよ!


「濡れたままにしとくのは可哀想だろ。下手したら風邪ひく」

「悪いな……俺がジャージ忘れたから門田にも迷惑かけて…」

「別に今日体育ないし構わねえよ」


「……………」


「どうかしたか?」

「………いや…、門田の…においがするなって、いうか…………なんか、」



門田が、隣に居るみたいで





「静雄ー!お湯もらって来たよーっ………………うわっ?!」

「ちょっと何なのありえないんだけど何あのシズちゃんのデレ!ちょっとはにかむとかそんな顔ありえないでしょ!!ていうか何この二人の付き合いたてのカップルみたいな初々しい雰囲気!!」

「臨也、ごめん日本語で喋って」


だからね新羅、別に俺はシズちゃんの事が大嫌いだから友人であるドタチンの心配をしているわけであって、だって今は女の子だけど本当は男だし、いやでもそのギャップが可愛いよなーなんて少しも思ってないよ?ちょ、ちょっと待って何でそこの二人はそんなに距離が近いのいやいやありえないから、俺がシズちゃんを好きとか地球が逆回転してもありえないから!



















認めれば楽なのに
(ないないありえない)