・臨子静で臨也の前だともじもじしちゃう子静
イザ兄の事が、すきだ。
でもイザ兄は俺のことをすきだけじゃなくて愛してるって言うんだ。それが擽ったくて嬉しいんだけど、俺はそれが何なのかがわからない。
愛って、なんだろう
今はイザ兄が仕事で忙しいからって3日間だけ新羅とセルティの家に預けられている。新羅とセルティの事はだいすきだ。でもイザ兄とは違うすきなんだ。
『愛か…、凄く凄く好きって事かな』
「でも俺はセルティと新羅の事だって凄くすきだぞ?」
『ありがとう。………なんて説明したらいいのかな、うーん…静雄にも伝わりやすいように…』
「…?」
『あっ、そうだ。愛し合う二人は――…』
「会いたかったよシズちゃん!」
「…………っ!」
3日とはいえ久しぶりの再会に飛び付いて喜ぶと思っていたが、ササッ!っとセルティの後ろに隠れてしまった静雄。誰も予想の出来なかったリアクションにその場の3人共が固まってしまった。
「え………新羅、………俺…シズちゃんに嫌われたの?そうなの?この3日間で何があったの?俺シズちゃんに嫌われたらマジで生きていけないんだけどっ!!」
「ちょっと臨也煩い。でも静雄はいいな、……はっ!つまり僕も子供ならセルティの美脚に縋りつくことだっ…………ごめんごめんセルティごめん冗談だよだから鳩尾はやめてぐはぁっ!!」
セルティの裏拳が見事に新羅の鳩尾に入る。崩れ落ちる新羅は幸せそうで、これがセルティの愛なら軽いものさ…っ!!と言っていた。
(…………殴るのも、…愛…?)
分からない、未知の感覚。
それでもこの気持ちはきっと、愛だと思うから、だから、聞かなきゃいけない。
「………い、いざにい!」
「…………なにかな?」
最初に受けたショックが隠しきれないからか、笑顔を作る臨也の表情は暗い。この後の静雄の言葉一つで本当に彼の生死が決まるほどである。
静雄はそんな彼の心情は全く知る由もなく、大きく深呼吸をして、もう一つの爆弾を投下する。
「……イザ兄は、俺と、けっこんしてくれる?」
「…………え?」
―愛し合う二人は、結婚するんだよ
思考回路停止命令
(当たり前じゃないか!)
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