俺のにーには情報屋さんっていう仕事をしているから、勉強も、世の中の事も、明日の天気も、何でも知っている。

そんな物知りなにーにがずっと昔に神様なんて居ないんだよって言ってたけど、俺は居ると思うんだ。


俺の世界をつくった人。
俺の世界の中心に居る人。

俺のいちばん近くにいて、俺を大切にしてくれている人。


でも最近はその人にシズちゃんって呼ばれると、どうしてだろう、胸がぎゅううって痛くて泣きたくなる。



「…にーに?」


静かなリビングでソファに凭れたまま寝ている。いつも俺がそうやって寝ると「風邪ひくよ」って困ったみたいに言うのに。いつも俺に構ってくれている分、俺の知らない所で仕事を片付けている事も知っている。前に俺なんかを優先しないでいいよ、って言ってみたら、それじゃあ俺は生きてる意味がないよ。とまで言われた時には恥ずかしくて、でも嬉しかった。

そうやってはっきりと示してくれるにーにの愛情が心地よくて、しあわせなんだ。



「………ごめん…なさい」


ごめんなさい神様、でも今だけだから。起きたらまた、何もなかったようにいるから。だから今だけ、今だけは見逃してください。




















寝たふりしてね神様
(触れるだけのキスをした)






にーにアンソロ様へ。