・学パロ
・キャラの性格が迷子






週の真ん中、学校に行くのが若干めんどくさくなるその日の授業を全部終えた。ふぁぁ、と欠伸をして帰り支度をしていたら突然後ろからタックルのような勢いで抱きつかれた。

「らっぐなー!!お誕生日!!今日はラグナのお誕生日だからねっ!!ニューからプレゼントがあるんだよっ!!」

「…そうか。今日俺誕生日か」


完璧に忘れてた。
この時期だと期末考査が被るから決して成績がよろしいとは言えない俺としてはそれ所じゃなかったし、何より高校生過ぎた男がいちいち誕生日に一喜一憂してるのも何かしょっぱいものがある。


「ラグナってば忘れてたのー?でもでも!ニューは覚えてたんだよ!!偉い?ねぇニュー偉い?」

「あー…、そうだな、覚えててくれて、サンキューな」

「えへへっ、ラグナに褒められたぁ!」


そのままニューはプレゼントとやらを俺に半ば強制的に押し付けて帰って行った。変なヤツだけど悪いヤツじゃないんだよな…、よし、俺も早く帰ろう。何故だか分からないがそこはかとなく嫌な予感がする。
そう思い下駄箱へ向かって歩き出した、瞬間。



「にーいさーーーーーーん!!」

変態だ。変態がこっちに猛スピードで突っ込んで来る、うわぁマジで気持ち悪い。
とりあえず突っ込んで来たジンを避け、踏み潰した。


「痛いよ兄さんっ!!」

「うるせえ黙れこのまま踏み殺すぞ」

「それが兄さんからの愛ならば喜んで受けるよ!」

SMプレイだなんて兄さんったら大胆!とか抜かしやがる変態。マジキモい。
何でこんなのが弟なんだろうおかしいだろにーちゃんはお前がそんな風になるだなんて思ってもみなかったよ。
とりあえずムカつくから踏み潰す足に力を入れてみたら喜びやがった。うわ、今本気で鳥肌立った。



「あぁっ!!良いところだったのに!」

「そこは押し倒されるべきだわ、もっと空気を読みなさいラグナ」

「ジン兄様の押しが弱いのでは…」


どこから出てきやがったんだか分からねえけど勝手に盛り上がり始めた。こいつらが盛り上がってる時は何か目が怖いし、俺にとって良いことは必ず起きない。


「うるせぇお前らマジ黙れ」

「折角の誕生日だから貴方と弟との嬉し恥ずかし放課後プレイのシチュエーションを用意してあげたというのに」

「それ確実に俺への祝いじゃねえよな」

得するのこの変態だけじゃねーか。
変態は変態で兄さんと制服プレイ!とか言いながら鼻血噴いてるし、キモい。


「…と、言うのは冗談で、私たちからもちゃんとしたプレゼントがあるのよ」


渡される小さな袋。
微かにする甘い匂いに袋を覗き込むと、小さなケーキともうひとつ、

「…ひなあられ?」

「ひな祭りに因んだのよ、可愛らしいでしょう?」

「バカにされてる気がしないでもないが…まぁ、有り難くもらっとく」


じゃあごゆっくりとか訳の分からん事を言いながらあいつらは先に歩いて行った。
残されたのは俺と、鼻血で惨殺死体のようになっているジン。あ、体重かけたままだった。まぁ死なねえだろ変態だし。

「…」

「………」

「…帰るぞ」


途端に嬉しそうに起き上がる。
なんだろう、こいつ、犬みたいだ。やっぱりこんなのでも弟な訳だし、好きか嫌いかって言われたら…微妙だが、まぁ身内を憎む程俺もコイツも屈折してない。…違う方向に曲がってはいったけど。


「兄さん兄さんっ!帰ったら俺からもプレゼントあるからねっ!!」

「いらねーよ。お前年々まともじゃねぇ物ばかり寄越すだろ、あれ毎回処分に困んだよ」

「ならさっきもらったケーキで生クリームプレイなんて…ごめんなさい調子に乗りましたでも生クリームまみれな兄さんも…痛い痛い鳩尾は痛い!!」



前言撤回、やっぱりお前死ね。




















いつもと少し違う日
(Happy Birthday!)