じゅるじゅると、唾液を絡ませて手の甲を舐める。時々傷口に舌を抉るように押し付けるとその身体はビクリと震えて、抵抗には程遠いくらい弱い声を上げる。



「トムさ…っ、も…、大丈夫、っすからあ!」



顔を真っ赤にして目に涙を浮かべながら耐える姿は喧嘩をしていた時とは想像つかないくらいに弱々しく、嗜虐趣味はないが凄くそそるものがある。



「……はっ、あっ」

「喧嘩するのは良いんだけどよ」



殆ど静雄用になった救急箱から消毒液を取り出して直接傷口に垂らす。



「、っ!」

「怪我とかそのままにすんなって事だ。膿んだりしたら大変だろうが」



な?と笑いかければ真っ赤な顔をしたまま顔を反らして善処します…と小さく呟いた。
まぁ言った所でどうにかなるわけでもないのは目に見えてるし、あんな静雄が見れるなら役得かな、と巻き終わった包帯をしまい、頭を撫でてやった。




















消毒マーキング
(癖になりそうだ)