・ほぼ会話






珍しい光景がそこにはあった。
他のクラスメイト達も遠巻きにそれを見ている。下手に近付いて被害に合うのだけは御免なんだろう、凄くよく分かる。
しかし俺らの気持ちとは正反対に、奇妙な光景はそのままだった。



「………あ、お前バーストしたなら弾寄越せよ」

「シズちゃん動き回ってて狙いにくいんだもん」

「動かなきゃ死ぬだろ馬鹿じゃねえの」



喧嘩ばかりだった静雄と臨也が向き合って携帯ゲームをしている、だなんて…!
天変地異が起きてもおかしくないこの状況を理解する事を脳の処理が追い付かなくて呆然としていると静雄が怪訝な顔をしてこちらを見てくる。



「門田?どうしたんだ?」

「あ、ドタチンおはよー…ってああ!死んだ!シズちゃん俺死んだ!」

「うるせーよ見りゃ分かんだよ」

「早く回復!リンクエイド!」

「はぁ?俺衛生兵じゃねーし」

「そんなこと言いながらもこっち来てくれるシズちゃんってばツンデレ!大好き!」

「起き抜けにワンパン食らって死ね」



軽口を言い合いながらゲームをする静雄と臨也の表情は普通の男子高校生みたいに楽しそうで、これで喧嘩が減るならそれはそれで良いんじゃねぇかな、と二人を見ながら席に着いた。





















そもそも普通が異常
(平和ならそれでいい)