何の為に俺は生まれてきたんだろう。


何かしらの意味を持って人が生まれてくるのに、壊す事しか出来ない俺は、何の為に――………




カシャン、という悲鳴と共にグラスが一つ犠牲になった事で漸く浮上した意識が現実に帰ってくる。片付けようとしたら薄皮が切れて赤い水滴が床に垂れた。



あぁ、またやっちまったのか。




…俺のこの力はいつか本当に全てを壊すんじゃないか。思えばこれまでは運が良かっただけなんじゃないかと。俺の無意識のリミッターが外れれば、俺は全てを壊してしまうんじゃないだろうか?



化物だと罵られて、人外だと貶されて、怯えや奇異の目に曝されて生きてきた。

それでも、こんな俺のことを気にかけてくれたりする人たちが居るから、俺はその人たちにこれ以上迷惑をかけるわけにはいかない。


弟の幽、上司で先輩のトムさん、新羅とセルティ、サイモンや門田達、それから、それから…………………………………………………。



いや、あいつは別だな。
そういやあいつと俺は殺し合いをしていたんだからこれは不本意ながらあいつの為になるのか?すげぇ嫌だな、でも今更何を言っても変わるわけないか。



「…これで、おしまいにしよう」


最後の破片を回収し終え、吹っ切れたようにありがとう、と呟いた。





















さよならばいばい
(今度は普通の友達に)