・学パロ
・微妙にDVD2巻の外伝小説ネタ






麗らかな春の光が、とかよくある答辞のテンプレがよく似合う4月の始めに、新しい生活に期待と不安を抱えた学生達の新生活がスタートする。

俺達に至ってもそれは同じで、そんな希望に満ち溢れた新入生達を歓迎を兼ねた始業式の真っ最中だ。
在校生代表の言葉とやらを臨也が読み上げる…なんつーか、頭が良いだけで性格に問題があっても関係ないんだろうか。


「………うん、堅苦しい挨拶はこれくらいにして、在校生代表の俺から新入生に一つ忠告をしてあげよう」


突拍子のない発言にざわつく体育館内。
教員達もさすがにこれは予想外だったようだが、色んな意味で性格に問題があるこの男に逆らえるものはそうそう居ない。
馬鹿馬鹿しい、この後は…まだ校長の話が残ってるじゃねぇか、マジで早く終わらせろよクソノミ蟲が。


「大丈夫、忠告なんて言っても簡単な事さ!……うちの学校の裏番は俺のものだから、手ぇ出したら消すよ」


空気が固まった。


「あ!でも社会的にだから死ぬことはないし、喧嘩なら全然オッケーだよ!」


そういう問題じゃねえだろ…、今のこの状況で笑ってんのお前とあるとしたら新羅くらいだぞ。みんな引いてる、ドン引きだ。


マジで何なんだろうこいつ。つーか裏番って裏番長だよな…まずうちの学校に番長が居ねぇじゃねえか。
どうせ新入生のリアクション見て楽しんでるんだろうな…、悪趣味な野郎だ。明らかにビビってるヤツもいて、折角新しい生活をするって時にあんなアホみたいな話で出鼻挫かれてもな…、と考えると少しだけ後輩に同情した。

前の方に座っている門田が振り返っているが気にしない、これ以上鬱陶しい話を長々と聞きたくはないから早めに夢の世界へ旅立つ事にした。






「いやぁ、折原くんの挨拶には吃驚したよ」

「俺はいつ静雄がキレねぇかヒヤヒヤしたんだぞ…」

「…は?何で俺が怒るんだよ」

「えぇ!?シズちゃんってば俺の一世一代の告白を聞いてなかったの?!」

「……や、話は聞いてたけど……裏番がどうとかだろ?」


俺は関係ないだろと言えば三人が固まる。
式が終わった今は昼休みで、屋上に居るのは俺達だけだ。本当に今日は暖かいから午後はココで寝て過ごしてえな…門田が許してくれなさそうだけど。


「ちょっとまってよシズちゃんは自分が何て言われてるのか本当に知らないの?」

「んー…?……怪物、とかか?」


思い当たりそうな名詞をあげたら臨也はよく分からんが落ち込み出した。いつもに増して果てしなくめんどくさいぞこいつ。
新羅と門田に目で助けを求めても我関せずで自分のメシ食ってるし。お前ら意外と薄情だな、知ってたけど。


「………??よく分かんねーけど…悪かった、のか?」

「…………悪いと思うなら…卵焼きちょうだいよ………」

「仕方ねぇな……」

「まぁいっか……牽制は出来たし…」


卵焼きを咀嚼しながらまだ独り言をお経のように唱えてる臨也を無視する事にしたら新羅からは少女漫画みたいなシチュエーションだったのにね!と言われて、門田に至っては知らない方が幸せな事もあるぞって頭を撫でられた。
…………本当に意味分かんねぇ…。




















そういう季節
(春だからね)